「ザ・ウォーカー」(原題:The Book of Eli)は、2010年に公開された、アメリカのサスペンス・アクション映画です。
本作は戦争で滅びかけた世界の中で、ある日天から聞こえてきた声にしたがって、ただひたすら西に向かって歩き続けた男の物語で、派手はアクションは見所ですが、ところどころに宗教色があり、不思議な雰囲気の作品です。
ストーリーにはハラハラさせられっぱなしですが、ラストシーンでは観ているこちらの胸がスッとなる仕掛けが用意されており、満足感の高い仕上がりです。
主演は「イコライザー」シリーズの主演で高い演技力で魅せ続けてくれるデンゼル・ワシントン、脇役として「ダークナイト」シリーズでゴードン役を演じる大物のゲイリー・オールドマンをを起用した文句のないキャスティングです。
そんな「ザ・ウォーカー」を見逃してしまったあなたのために、作品の大まかなあらすじと見どころを紹介し、「ザ・ウォーカー」を観るべきかどうか判断できるようにお手伝いします!
▽デンゼル・ワシントンが出演する「イコライザー」シリーズ
▽ゲイリー・オールドマンが出演する「ダークナイト」シリーズ
目次
【ネタバレ注意】作品の全容をざっくり紹介
まずは「ザ・ウォーカー」の登場人物やその関係性、全体のストーリーをざっくりまとめて紹介します。
あなたが忙しく、記事を読んでいる時間がない場合を考えて、予告動画を紹介しておきます。
この動画だけで全てを理解することは難しいのですが、雰囲気だけでもつかんでください。
事前に押さえておきたい主要な登場人物たち
- イーライ:頭の中の不思議な声に導かれて一冊の本を手に30年間歩き続ける男。格闘や武器の扱いに慣れており複数人相手の戦闘でも無傷で勝利する力を持つ
- ビリー・カーネギー:ゴロツキを束ねて街を支配する男。複数の街を作り出すのにある本を探している。旅の途中で立ち寄ったイーライと出会い目当ての本を持っていることを知る
- クローディア:カーネギーの身の回りの世話をする盲目の女性でソラーラの母親。支配者であるカーネギーに逆らえずたびたび理不尽な扱いを受ける
- ソラーラ:酒場で働く若い女。母親を人質にとられていることで、カーネギーの言いなりになっている。窮屈な街を飛び出したいと思っているところにイーライと出会う
本作の登場人物は非常にシンプルです。
ひたすら西に向かって歩き続ける”ウォーカー”であるイーライと、イーライから本を奪おうとするカーネギー、カーネギーに支配されながらも必死にその運命を変えようとするクローディアとソラーラの親子。
この3つの立場を理解していれば本作の全体を問題なく理解することができます。
【あらすじを紹介】「ザ・ウォーカー」のストーリーを解説
ここではストーリー全体をさらに理解できるように、ストーリーを紹介していきます。
あなたが「ザ・ウォーカー」を観ていなくても、これを読めばざっくりしたあらすじをつかむことができます。
【ウォーカー】
- イーライは戦争で滅びた世界を西に向かって歩き続ける
- 強盗にあっても全員返り討ちにし夜には本を読んで寝る
- カーネギーは街の支配者で、とある本を探し続けている
- イーライが酒場に入るとゴロツキに絡まれて全員殺す
- イーライを気に入ったカーネギーが仲間に誘うも断る
- カーネギーに脅されたソラーラがイーライに接近する
【追われるイーライ】
- 事情を聞いたイーライが仕方なくソラーラを部屋に招く
- 話しているうちに隠した本をソラーラに見られてしまう
- カーネギーに脅されたソラーラは本のことを話してしまう
- 目当ての本だと確信したソラーラはイーライを包囲する
- カーネギーと部下を返り討ちにして街を出るイーライ
- ソラーラがイーライを追いかけてくるも洞窟に閉じ込める
【執着するカーネギー】
- カーネギーは本を諦められずイーライの追跡を命じる
- 新しい街を作りたいカーネギーは人心の掌握に本が必要
- 泉を脱出したソラーラが強盗から強姦されそうになる
- イーライが強盗を殺しソラーラと行動を共にすることに
- その本は戦争の原因とも考えられて一冊を除いて焼かれた
- イーライは心の声に導かれ本を見つけ出し西へ運んでいる
【目的地】
- 追ってきたカーネギーに捕まりソラーラと本を奪われる
- カーネギーに撃たれたイーライはその場に倒れ込む
- 帰り道でソラーラが車を転覆させて奪いイーライの元へ
- 瀕死の状態で歩くイーライを発見し車で西に向かう二人
- 二人は海に辿り着きアルカトラズ島にボートを漕いでいく
- アルカトラズには遺物が集められ文明の復活を進めている
【使命の完遂】
- カーネギーに渡った聖書は点字で書かれていて解読不能
- イーライは聖書を暗記していて紙への転記作業を進める
- クローディアに点字解読を指示するも断られ見捨てられる
- 腹心を失ったカーネギーの街では暴動が起き制御不能に
- イーライは聖書を完全に復活させた後静かに息を引き取る
- ソラーラはイーライの武器や持ち物を引き継ぎ街に戻る
本作はシンプルに見ると無双アクションの映画ですが、これは監督が日本映画の「座頭市」に強く影響を受けているからであり、冒頭で強盗の腕を切り落とすシーンは座頭市を彷彿とさせます。
そして、宗教観や世界への問題提起を随所に埋め込んでいる点も本作の面白い点です。
「物が溢れた世界で戦争が起き、やがて物を奪い合うようになる」「空に穴があいて大量の紫外線で地上が焼けてしまう」
この辺りは、現代の世界への警鐘と捉えることができますね。
また、ラストシーンでカーネギーが全てを失うところでは、欲深く求めすぎると逆に全てを失うといった宗教色の強いメッセージだと考えられます。
ちなみに、点字の聖書をなぜイーライが暗記できたか疑問が残りますが、これはイーライが盲目であったということです。
作中でイーライが人に話す際にやたら距離が近かったり、階段につまずいたりするシーンがありますが、これはラストシーンに向けての伏線です。
なかなか手の込んだ仕込みが多い作品です。
【口コミ】「ザ・ウォーカー」の感想を分析!
ネット上には「ザ・ウォーカー」について様々な投稿があります。
ここでは、Twitterに投稿された「ザ・ウォーカー」についての意見をいくつか取り上げて、傾向を解説します。
『ザ・ウォーカー』
国も文明も消滅し荒廃した危険で無秩序な世界に一人、一冊の本を持ち西へ西へと向かう男“イーライ“
旅の途中でカーネギーという町に辿り着いた…
こういう渋い役をデンゼルに演じさせると完璧‼️更にこういう悪役をゲイリーに演じさせると最強‼️
使命感を貫く姿が心に刺さる作品 pic.twitter.com/1mhz8vpV3C
— ☯️Rick💫Koji☯️ (@soul_contact93) November 1, 2021
ザ・ウォーカー
荒廃した世界でたった一冊の本を運ぶため西へ旅する男の話。
かなりゆっくり淡々と進む1時間ちょっと。自分がガンアクションがあまり好みでないのもあって、正直しんどかった😂
後半30分の畳み掛けと伏線回収はぐっときた☺️
ちょっと尺長いかな💦
※序盤から猫は無事じゃないです pic.twitter.com/MwZ4Iju8GX— 汚泥茶 (@sludgetea_j) June 4, 2021
『ザ・ウォーカー』
文明が崩壊した世界で、1冊の本を守りながら西へ旅をする男。
そしてその本を奪おうとする男。何故かめちゃくちゃ強いデンゼル・ワシントンと、悪役が良く似合うゲイリー・オールドマンの存在感が凄い 😲
ラストとか好きなんだけど、宗教を深く理解してたらもっと違うのかも🤔 pic.twitter.com/RtOex9UmkB
— かぼち (@kabochi02) December 10, 2021
ザ・ウォーカー
デンゼル・ワシントン格好いいなぁ😊内容は私は宗教的な知識が無いため、細かな描写についてはちゃんと理解できなかったかな。信仰心って日本人には余り馴染みがないけど、信じる事、神の御加護など、考えさせられる物があった。#映画好きと繋がりたい pic.twitter.com/jLnLHTGNH0— みぃこ (@mi_loveactually) July 11, 2020
『ザ・ウォーカー』U-NEXTにて。
荒廃した近未来、男たちは一冊の本をめぐって争う。
聖書をモチーフに宗教による支配を描く発想は面白いが、詰めの甘さと粗が目立つ結果に。
所々明らかにCGと見てとれる背景に辟易。
iPodもなぜか新品同様綺麗だし、終盤の大量の紙はどこから仕入れたのか…。 pic.twitter.com/R9AK5nkZN7— EDDIE@KingsFan👑 (@eddie2yuji) May 13, 2021
本作を観た人の評価が賛否で分かれています。
デンゼル・ワシントンの無双アクションとして捉えている人にとっては、迫力と名演技によって満足度の高い投稿をしています。
一方で、宗教観のわかりにくさや構成の強引な点が気になってしまう人にとってはやや不完全燃焼な投稿をしているようです。
【名シーン紹介】ザ・ウォーカーの見どころになる名シーンを一部紹介
ここでは、作品全体の中でも特にあなたに観てほしい重要な名シーンを抜粋して紹介します。
あなたが忙しい場合、ここで抜粋したシーンを観て本作を少しでも味わってもらいたいところですが、正直なところ、全体を観ないと伝わらないことが多いと思います。
そのため、少しでも面白そうと感じてくれるのであれば、改めて本作の全てを観ることをおすすめします!
【名シーン①】カーネギーに宣戦布告するシーン
老夫婦の家から逃げ出そうとするイーライとソラーラのもとにカーネギーが部下を引き連れてやってきます。
家を包囲して本を渡すように要求すると、布に包まれた本のようなものが投げ込まれます。
包みを外して中身を確認すると、中には爆弾が入っていて車の一台を吹っ飛ばしたのです。
この後に控えている激しい銃撃戦の引き金となるシーンです。
【名シーン②】ソラーラが勇気を出して立ち向かうシーン
本とソラーラを奪って凱旋するカーネギーですが、車内でソラーラが何かを企んでいます。
手元で紐を引っ張っていたソラーラがいきなり運転手の首を締めて運転を邪魔し、車を横転させたのです。
異変を感じたカーネギーは引き返すのですが、素早く脱出したソラーラが車内の手榴弾を投げてそのうちの一台を爆破します。
ソラーラが生まれ変わったシーンです。
【無料視聴】ザ・ウォーカー全編を高画質で見る方法
いかがでしたか?
実際はもっとたくさんの見どころや泣きどころがあり、紹介しきれないので、ぜひ最初からエンディングまでしっかり観て欲しいと思います!
「レンタルは面倒だなぁ…」
そうですよね。
映画を全編しっかりと観ようとすればDVDやBlue-rayをレンタルショップで借りてくるのが一般的ですが、借りにいくのも返しにいくのも時間と手間がかかってしまいます。
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2020年現在、見放題作品数がもっとも多いのは、U-NEXTで約5万件、次いでHuluで4万件となっており、このどちらかで選べば間違いありません。
「無料で観れるサービスはないの?」
一部の海外サイトには映画がまるまる無料で視聴できるものもありますが、画質が悪い上に違法行為となってしまうため、筆者はオススメしません。
罪になると思いながらだとせっかくの映画に集中できませんし、楽しめませんよね。
ザ・ウォーカーを無料で全部観たい!という場合は、まずはU-NEXTやhuluで閲覧できるか無料体験に申し込んでみてください。
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