「ブラッド・ダイヤモンド」(原題:Blood Diamond)は、2006年に公開された、アメリカのサスペンス映画です。
アフリカ・シエラレオネという国で1991年から2002年の間に実際にあった内戦を舞台に、ブラッド・ダイヤモンド(紛争の資金調達で不正に取引されたダイヤモンド)をめぐる闇を描いた作品です。
私たちの何気ない日常も、実は紛争地帯にお金を流し込むきっかけになっていることを気付かされ、非常に考えさせられました。
主演はレオナルド・ディカプリオで、アフリカからイギリスへダイヤモンドを密輸する悪徳業者が段々とまともな人間の価値観を学んでいく姿を見事に演じています。
最初から最後まで狂気のままだった「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のディカプリオを知っている人にとっては、後半の心情変化はとても新鮮味があるかもしれません。
そんな「ブラッド・ダイヤモンド」を見逃してしまったあなたのために、作品の大まかなあらすじと見どころを紹介し、「ブラッド・ダイヤモンド」を観るべきかどうか判断できるようにお手伝いします!
▽「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の記事はこちら
目次
【ネタバレ注意】作品の全容をざっくり紹介
まずは「ブラッド・ダイヤモンド」の登場人物やその関係性、全体のストーリーをざっくりまとめて紹介します。
あなたが忙しく、記事を読んでいる時間がない場合を考えて、予告動画を紹介しておきます。
この動画だけで全てを理解することは難しいのですが、雰囲気だけでもつかんでください。
事前に押さえておきたい主要な登場人物たち
- ダニー・アーチャー:アフリカで活動するダイヤモンドの密輸業者。金とダイヤにしか興味がない冷酷な性格だったがバンディーやマンディーと出会い徐々に変わっていく
- ソロモン・バンディー:シエラレオネの漁師。ある日突然RUFによって拉致されダイヤの採掘場で働くことに。引き離された家族を探すためにアーチャーと行動を共にする
- ディア・バンディー:ソロモンの息子。RUFによって拉致され少年兵にされてしまう。麻薬で洗脳されており実の親に対しても敵だと思い込み銃を向けてしまう
- マディー・ボウエン:紛争ダイヤモンドの密輸を取材するジャーナリスト。実態は掴んでいるものの証拠がなく、密売人であるアーチャーに接近する
- コッツィー大佐:民間軍事会社の大佐。幼いアーチャーを拾い傭兵として育てた人物。野心が強く他人を利用することをなんとも思わない
- RUF(革命統一戦線):シエラレオネの反政府武装集団で、虐殺や暴行、都市の破壊など内戦を悪化させた
本作は、違法に採掘されたダイヤを隣国や先進国に密輸する業者であるアーチャーが、一攫千金を狙ってピンクダイヤを隠し持つソロモンに近づくわけですが、さまざまな死線をこえ、ダイヤモンドの背景にある闇に触れていく中で徐々にその考え方を変えていくストーリーです。
そのため、アーチャーと旅を共にするソロモンとマンディー、ソロモンの旅の目的である息子のディア、アーチャーを利用しようとするコッツィー大佐の5人を覚えておけば全体を理解することができます。
【あらすじを紹介】「ブラッド・ダイヤモンド」のストーリーを解説
ここではストーリー全体をさらに理解できるように、ストーリーを紹介していきます。
あなたが「ブラッド・ダイヤモンド」を観ていなくても、これを読めばざっくりしたあらすじをつかむことができます。
【紛争ダイヤモンド】
- シエラレオネではダイヤモンドの採掘権を巡って内戦が拡大している
- ソロモンの村がRUFに襲われ家族と引き離されて採掘場で強制労働
- ダイヤの密輸が反政府組織の武器の購入に使われ国際問題になっている
- アーチャーは反政府組織からダイヤを買い上げる密輸業者
- ソロモンが採掘中に大きなダイヤを見つけてこっそり隠そうとする
- RUFのポイズン大尉に見つかるも直後に採掘場が政府軍から襲撃
- 留置場でソロモンが隠したピンクダイヤの話を聞いたアーチャー
- アーチャーはイギリスのバン・デ・カープ社にピンクダイヤを売る計画
- マディーが紛争ダイヤ密輸の取材でアーチャーに接近するも敬遠される
【アーチャーとソロモン】
- ソロモンの息子ディアがRUFによって拉致され洗脳され少年兵にされる
- アーチャーがソロモンに接触しているとRUFと政府軍の戦闘になる
- なんとか脱出した二人はソロモンの家族を探すためにマディーに接触
- 情報と引き換えにヘリでソロモンの家族がいるギニアの難民キャンプへ
- 家族と再開するもディアがRUFに拉致されたことを知り落胆するソロモン
- ディアを見つけないとダイヤ探しができないアーチャーはマディーと取引
- 証拠を渡し自分がピンクダイヤを取引したあとなら記事にしていい約束
- 3人で移動中の車がRUFに襲われ徒歩で移動すると難民を匿う村と出会う
【変化するアーチャー】
- 村人や教師のベンジャミンに触れてアーチャーの考え方が少しずつ変化
- アーチャーは元々国の兵士だったが利権争いに呆れて密輸商売を始めた
- 心を取り戻していくアーチャーがマディーと理解し合い惹かれあっていく
- コッツィー大佐のキャンプでマディーと別れ二人で採掘場へ向かう
- 採掘場に着くとディアを探したいソロモンに配慮し翌朝爆撃する作戦
- アーチャーが居眠りしている間にソロモンがディアを探しにいってしまう
- ディアを見つけるも洗脳によって父親と認識されず捕まってしまう
- ディアを人質にとられてダイヤをありかを問い詰められるソロモン
- 大佐の軍による空爆で採掘場は大混乱になりアーチャーがディアを保護する
- RUFを掃討後コッツィー大佐がディアを人質にダイヤを出せと脅す
【自由への逃亡】
- ソロモンがダイヤを見つけたと同時にアーチャーが大佐らを射殺する
- ディアが二人に銃を向けるもソロモンが涙ながらに語りかけ銃をおろす
- 大佐の傭兵から逃れるために仲間の飛行機と合流するため山頂に向かう
- 負傷したアーチャーはソロモンにダイヤとマディーの名刺を渡す
- 追っ手を倒しながら薄れていく意識の中でマディーに電話で別れを告げる
- ソロモンがバン・デ・カープ社とピンクダイヤを取引しマディーが隠し撮り
- 取引によって金と家族をアフリカから脱出させロンドンに移したソロモン
- 2003年に紛争ダイヤの売買を禁じる制度はできたもののアフリカにはいまだに20万人の少年兵がいる
当初アーチャーはピンクダイヤを手に入れるために、家族を探したいソロモンの要求に応えるように見せかけてなんとか隠し場所に案内させようとします。
ダイヤと家族を探す旅を共にする中で、いつの間にか目的が徐々に変わっていきます。
最後の採掘場では爆撃の時間を伸ばしたり、アーチャー自身がソロモンではなくディアを助けにいくなど、人間として正しい選択をとり始めるのです。
最後にはダイヤも自分の命も犠牲にして親子を守るという、アーチャーの男気にきっとあなたも涙するはずです。
【作中の疑問を解消】わかりにくい背景をスッキリ整理
本作を観ていてわかりにくいのは、「なぜ紛争ダイヤをバン・デ・カープ社がわざわざ密輸してまでダイヤモンドを買うのか?」という点です。
作中に登場するバン・デ・カープ社は存在しない架空の会社ですが、世界のダイヤモンド流通に影響を及ぼす大手という設定です。
彼らが紛争ダイヤを買う理由は、簡単にいうと「流通量の調整」です。
高価な宝石であるダイヤモンドは、出回りすぎて値段が下がってしまわないように売り手によって調整されており、RUFが掘り出す紛争ダイヤも放置しておくと全体の値段を下げる要因になってしまうため、バン・デ・カープ社のような大手が購入し、保管しておくのだと作中では解説されています。
登場する会社は架空でも、先進国の経済的な都合のために、紛争地域にお金が流れ、武器に変わっているという闇は実際にあったことなので私たちも他人事ではないですね。。。
【口コミ】「ブラッド・ダイヤモンド」の感想を分析!
ネット上には「ブラッド・ダイヤモンド」について様々な投稿があります。
ここでは、Twitterに投稿された「ブラッド・ダイヤモンド」についての意見をいくつか取り上げて、傾向を解説します。
『ブラッド ダイヤモンド』
一瞬の迷いが死を招く戦地を口八丁で乗り切る悪党レオからスパイの様な身のこなしで己の信念のため闘う善人レオ!たった一粒の石ころに流れる血と涙、20万の少年兵によって作られる通称 紛争ダイヤ。ショッキングな光景と父の比類なき強き愛を映し物議を醸した社会問題作。 pic.twitter.com/a0TzPc3aPT— (@piporo_cinema) May 6, 2020
『ブラッド・ダイヤモンド』鑑賞
エドワード・ズウィック監督内戦中のアフリカで、資金調達の為に不法取引される紛争ダイヤを巡るサスペンス
終始、緊張感があり、米国務省が内容を批判したのはそのリアルさ故か…?
EDロールはNASによるShine On’Em
この映画の為の描き下ろしです。 pic.twitter.com/VvUAaU92lP— DJ GANDHI (@dj__gandhi) November 14, 2020
『ブラッド・ダイヤモンド』
“発展国”の人々が綺麗な服を着、素敵な街並みで食事をしている今も内紛はあって少年兵はいて、略奪や殺人は繰り返され難民は増えているんだ…ダイヤは慟哭の色…。ダイヤに限らず、私の生活はどれだけ人の悲しみの上に成り立っているのだろうかと思わずにはおれなかった pic.twitter.com/bb75PDvgI0
— くるみ (@kuruwalnuts) August 12, 2020
映画『ブラッド・ダイヤモンド』。
アフリカの血塗られたダイヤを密輸していることを批判されたディカプリオがジェニファー・コネリーに言う。途上国で労働者を低賃金で働かし作られたNIKEを買う僕らも加害者という事か?
NIKEについては改善されたとも言われている。#映画好きと繋がりたい #映画 pic.twitter.com/YrVMcj9wed— Almost Famous (@intothegloove) October 9, 2020
『ブラッドダイヤモンド』
凄く残酷なシーンがたくさんあった。
子供に目隠して銃を持たせるなんて…
世界にはまだ少年が銃を持つような国もあることが悲しい現実。
アーチャーがディアを守ろうとするところが凄くかっこよかった。
ソロモンの気持ちに応えてあげるアーチャーが報われないのは切ない。 pic.twitter.com/zhqKSYBqoP— Sae (@Sae0505movies) November 30, 2020
本作を観たユーザーはかなり高評価のコメントを投稿しています。
特に言及されているのは2点で、「アーチャーの人間的な成長」と「紛争ダイヤの闇」で、Twitterは後者の「紛争ダイヤの闇」について触れれらている投稿が多いように感じました。
この物語が、私たちの生活にも関係ないとは言えないところが観た人の胸に深く何かを残しているようです。
【名シーン紹介】ブラッド・ダイヤモンドの見どころになる名シーンを一部紹介
本作は主人公のアーチャーの心情変化が見どころの一つですが、それが特に顕著にわかるシーンを2つだけ抜粋して紹介します。
一つはRUFの少年兵として洗脳されたディアがソロモンに銃を向けるシーン、もう一つはアーチャーが最期にマディーに電話をかけるシーンです。
2シーンだけでも観る価値はあるのですが、前後も含めて全て理解するために、全編を通して観ることをおすすめします!
【名シーン①】洗脳され銃を向けてきたディアにソロモンがとった行動
コッツィー大佐の手からダイヤを守ったアーチャーとマンディーに、ディアが銃口を向けます。
ディアはRUFによって薬漬けにされ、世の中の大人全てが敵に見えるようになってしまったのです。
変わり果てた我が子を前に、ソロモンはゆっくりと自分が父親であること、ディアを愛してることを伝え、もう一度家族になろうと語りかけます。
次第に涙を流し、心を取り戻していくディアの様子に観ているあなたもきっと感動します。
【名シーン②】アーチャーとマディーの最後の別れのシーン
深手を負ったアーチャーは自身が足手まといになると判断し、迎えの飛行機には乗らず、お手から逃げるソロモンたちを守ろうと判断します。
そんなアーチャーが最期に電話した相手、それがマディーでした。
君に会えて幸せだった、というアーチャーの言葉に涙が溢れます。
【無料視聴】ブラッド・ダイヤモンド全編を高画質で見る方法
いかがでしたか?
実際はもっとたくさんの見どころや泣きどころがあり、紹介しきれないので、ぜひ最初からエンディングまでしっかり観て欲しいと思います!
「レンタルは面倒だなぁ…」
そうですよね。
映画を全編しっかりと観ようとすればDVDやBlue-rayをレンタルショップで借りてくるのが一般的ですが、借りにいくのも返しにいくのも時間と手間がかかってしまいます。
そこで、筆者は定額見放題の「動画配信サービス」をオススメします。
インターネット回線を通して、PCやスマホ、TVで映画やドラマを見ることができるサービスです。
利用者が多く、大手サービスとしてはドコモが提供する「dTV」、国内コンテンツに強い「U-NEXT」、海外発のサービスで日本に上陸した「Netflix」や「hulu」などがあります。
あなたがTVやスマホで映画やドラマを観るなら、動画サービスは「見放題の作品数がどれだけあるのか?」で選んでください。
2020年現在、見放題作品数がもっとも多いのは、U-NEXTで約5万件、次いでHuluで4万件となっており、このどちらかで選べば間違いありません。
「無料で観れるサービスはないの?」
一部の海外サイトには映画がまるまる無料で視聴できるものもありますが、画質が悪い上に違法行為となってしまうため、筆者はオススメしません。
罪になると思いながらだとせっかくの映画に集中できませんし、楽しめませんよね。
ブラッド・ダイヤモンドを無料で全部観たい!という場合は、まずはU-NEXTやhuluで閲覧できるか無料体験に申し込んでみてください。
(動画サービスの閲覧作品は随時更新されているため、取り扱いがない可能性もあります。ご注意ください。)
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