「ジェミニマン」（原題:Gemini Man）は、2019年に公開された、アメリカのSFアクション映画です。
世界一の腕を持つ最強のスナイパーが自身のクローンに追われ、対決していく物語で、一見ありふれたストーリーですがラストシーンではアメリカの兵士が抱える問題に触れていて、単純なアクションで終わらないところがいい意味で期待を裏切ってくれます。
主演は「ハリウッドで最も稼いだ俳優」として有名なウィル・スミスで、対決相手のクローンはウィル・スミスが演じその上から肌を全てCGで作成したという新しい技法が取り入れられています。
これによって、これまでの映画に登場した、何か違和感を感じるクローンではなく、本当に自分そっくりの人間がなんの不自然さもなくそこにいる感覚を味わうことができます。
そんな「ジェミニマン」を見逃してしまったあなたのために、作品の大まかなあらすじと見どころを紹介し、「ジェミニマン」を観るべきかどうか判断できるようにお手伝いします！
▽前作の「イコライザー」を解説した記事はコチラ
▽クローンの撮影技術についてのインタビュー記事はコチラ
https://screenonline.jp/_ct/17312342
目次
【ネタバレ注意】作品の全容をざっくり紹介
まずは「ジェミニマン」の登場人物やその関係性、全体のストーリーをざっくりまとめて紹介します。
あなたが忙しく、記事を読んでいる時間がない場合を考えて、予告動画を紹介しておきます。
この動画だけで全てを理解することは難しいのですが、雰囲気だけでもつかんでください。
事前に押さえておきたい主要な登場人物たち
- ヘンリー・ブローガン：世界一の腕を持つDIA（国防情報局）のスナイパー。長年の暗殺で精神的に疲弊しており引退を考えている。元海兵隊員
- ジュニア：若き日のヘンリーのDNAをもとにつくられたクローン。ヴェリスの養子として育てられヘンリーと同じ訓練を受けたスナイパー
- ダニー・ザカレウスキー：DIAの潜入捜査官。当初はヘンリーを監視していたが、追われる身となりヘンリーの協力者として共にヴェリスに立ち向かう
- バロン：ヘンリーの海兵時代の仲間で飛行機操縦のスペシャリスト。ヘンリーの危機を知り、全力で協力してくれる
- クレイ・ヴェリス：ヘンリーの海兵時代の上司で現在は軍事企業ジェミニの代表。クローン兵士の開発に取り組んでおり裏ではDIAと密接に繋がっている
- ジャック・ウィリス：ヘンリーの海兵時代の仲間で除隊後はDIAで働く。引退後も世界の情報屋と繋がっておりヘンリーに暗殺指令が改ざんされた可能性を伝える
- デル・パターソン：DIAのヘンリーの上司で長年の友人。ラシターの指示に不信を抱くも暗殺指令の改ざんに関与する
- ジャネット・ラシター：DIAの幹部でパターソンの上官。ヴェリスの企みに深く関わっており、真相に近づいていくヘンリーを始末しようとする
- ユーリ・コヴァッチ：ロシア側の情報屋。ジャックにヴェリスの裏の計画を教える
本作では覚えておくべき登場人物がやや多いのですが、基本的にはヴェリスとラシターが敵で、それ以外は全員ヘンリーの味方です。
それを理解した上で観れば、人間関係はそこまで複雑ではないため、あらかじめ把握しておくことをおすすめします。
ストーリーの序盤に次々と登場人物の名前が出てくるので、少々混乱するかもしれませんが、最低限覚えておくべきはヘンリー、ダニー、ジュニア、ヴェリスの4名だけなのでそれ以外の名前を覚えておく必要性はそこまで高くないといえます。
【あらすじを紹介】「ジェミニマン」のストーリーを解説
ここではストーリー全体をさらに理解できるように、ストーリーを紹介していきます。
あなたが「ジェミニマン」を観ていなくても、これを読めばざっくりしたあらすじをつかむことができます。
【追われるヘンリー】
- ヘンリーはすご腕のスナイパーだが歳とともに心が疲弊
- DIAの指示でテロリストのドルモフを電車を狙撃して暗殺
- 引退を決意したヘンリーはDIAのダニーから監視される
- 元戦友のジャックからドルモフは生物学者であったと知る
- 詳しい情報はロシアのユーリという情報屋が知ってい
- ジャックが暗殺されヘンリーの自宅にも暗殺チームが迫る
- ダニーも危険と判断したヘンリーは二人でバロンのもとへ
【クローンの暗殺者】
- 逃げ込んだバロンの自宅にジェミニの暗殺者が襲いかかる
- 暗殺者が自分と同じ動きであることに気づくヘンリー
- 追い詰められピンチになるも警察に逮捕され難を逃れる
- ヘンリー達はユーリに会うためにブダペストに向かう
- DNA鑑定で暗殺者とヘンリーが同一人物であると判明
- ユーリからドルモフがクローンの研究者であることを聞く
- ドルモフはクローンの量産方法を見つけた後で暗殺された
【ヴェリスとの決戦】
- ヴェリスはクローンを養子に迎えスナイパーとして育てる
- ダニーはクローンのジュニアと協力できないか提案する
- ジュニアはヘンリーの話でヴェリスへの疑問を持ち始める
- ヘンリーを信じたジュニアは共にヴェリスを討つため合流
- 突如ジェミニの部隊にミサイルを撃たれてバロンが死亡
- ジュニアはヴェリスと一騎打ちするも殺せず気絶させる
- ジェミニの部隊に囲まれたヘンリーらをジュニアが助ける
【それぞれの人生】
- 目を覚ましたヴェリスが新たな暗殺者を差し向ける
- 3人がかりで苦戦しつつもなんとか暗殺者を沈黙させる
- マスクをとると暗殺者はジュニアとは別のクローンだった
- ヴェリスは感情や痛覚をなくしたクローン兵士を開発した
- 銃を構えるジュニアを制止しヴェリスを射殺するヘンリー
- その後ジェミニは解体されてクローン計画は白紙になった
- 6ヶ月後ダニーはDIAに戻りジュニアは大学で新しい人生を送る
本作ではウィル・スミス同士のアクションシーンが見どころで、特にストーリーを深掘りしなくても楽しめる作品ですが、深い部分もしっかりと用意してあり、あなたがそれに気づくと「なぜ？」と疑問が残ってしまう点がいくつかあります。
そのいくつかの伏線を解説していきます。
【疑問点1】なぜドルモフはヴェリスによって暗殺されたのか？
本作の冒頭でヘンリーが狙撃したドルモフはテロリストではなく、アメリカで30年研究者として生活してきた分子生物学者でした。
ドルモフはクローンの研究をしており、ヴェリスがヘンリーのDNAを使ってジュニアを生み出した件にも関わっていました。
また、ドルモフはクローン兵士の量産技術を開発しており、ラストシーンで登場する感情や痛覚を取り除いた暗殺者を生み出すのにも貢献していたと考えられます。
最強のスナイパーであるヘンリーをもとにしたクローンの開発は成功しており、クローン兵士の開発技術をアメリカが独占し続けるために、ヴェリスとラシターの指示で書類を改ざんし、テロリストとして処分したのです。
【疑問点2】なぜヘンリーはジュニアにヴェリスを撃たせなかったのか？
ヘンリーは自身の人生を後悔しています。
幼少期に不遇の家庭で育ち、逃げるように海兵隊に入ったヘンリーはそこで才能を開花させてスナイパーとして生きるわけですが、普通の人生に憧れてきました。
ジュニアの存在に、若い頃の自分を重ねたヘンリーは、自分自身が歩めなかった普通の人生をジュニアに送ってほしいと強く願うようになります。
過去多くの人間を射殺し、心がボロボロになってしまった自分と同じ経験をさせたくないと考えたヘンリーは、嘘だったとはいえ父親と読んでいた男に引き金を引かせたくないと考えたのです。
この行動は、父親が幼少期に失踪し、自らも経験していないヘンリーの父親としての理想像だったのかもしれません。
【疑問点3】なぜヴェリスはクローン兵士を作ろうとしたのか？
本作でヴェリスは終始悪者ですが、ラストシーンでなぜクローン兵士を作ろうとしたの語っています。
アメリカでは毎年兵士が戦地で亡くなっており、その家族たちは絶望や悲しみを生みます。
また、生きて帰ってきてもPTSD（心的外傷後ストレス障害）を発症し、自殺してしまう兵士も少なくありません。
クローン兵士を開発することで、家族の悲しみもPTSDも防ぐことができ、誰も悲しまない世の中を作ることができるとヴェリスは考えていました。
その思想は間違ってはいるものの、感情的にはわからなくもない話です。
ヴェリスの思想を生み出してしまったアメリカの軍隊に内在する闇に問題があるのかもしれません。
【口コミ】「ジェミニマン」の感想を分析！
ネット上には「ジェミニマン」について様々な投稿があります。
ここでは、Twitterに投稿された「ジェミニマン」についての意見をいくつか取り上げて、傾向を解説します。
『ジェミニマン』
ウィルスミスvsウィルスミス！この設定だったらストーリーは順当で、衝撃展開とかは無い。なぜ居場所が分かったの質問には、機械じゃなくて上を行かれるような別の理由が良かったな。処々CGを入れたアクションになっているのですが、ほとんど気にならず高速アクションを楽しめた。 pic.twitter.com/VTnwY3DP0y— ルカ (@ruka6038) September 1, 2021
ジェミニマン観た
市街地でのアクションシーンは見応えあるし、若いウィル・スミスは紛れもなくウィル・スミスで最新のCGはもうなんでもありなんだなと思わされた。ストーリーというか演出が微妙な所は多々あったけど楽しく観れました👍️
ただ吹き替えだけはオススメできない。 pic.twitter.com/folz9mKuD0
— おかゆ (@okayumainichi) September 4, 2021
ハッピーエンドで良かった〜！
ウィル・スミスの演技ってやっぱり凄い！
同一人物に思えないもん。
違う人が演じてる見たいだった#ジェミニマン#ウィル・スミス#映画好きと繋がりたい pic.twitter.com/fN3Bkztocb— やお (@eigano_misugi) August 30, 2021
本作を観たユーザーの意見は大きく分かれています。
中身を見ると、アクションシーンの派手さや、同一自分がまるで別人のように戦うCG技術について絶賛する声と、ストーリーや演出が想像の域を超えていないとやや不満の声が目立つようです。
あなたが派手なアクションでスカッとしたいなら、本作はおすすめできるといえそうです。
【名シーン紹介】ジェミニマンの見どころになる名シーンを一部紹介
ここでは、作品全体の中でも特にあなたに観てほしい重要な名シーンを抜粋して紹介します。
あなたが忙しい場合、ここで抜粋したシーンを観て本作を少しでも味わってもらいたいところですが、正直なところ、全体を観ないと伝わらないことが多いと思います。
そのため、少しでも面白そうと感じてくれるのであれば、改めて本作の全てを観ることをおすすめします！
【名シーン①】ジュニアとの大迫力なバイクアクションシーン
コロンビアでジュニアに追われたヘンリーはバイクで逃走しますが、警察からバイクを奪ったジュニアがそれを追いながら襲いかかってきます。
バイクを自らの手足のように操るアクションが最高にかっこよく、ヘンリーが常に押されっぱなしでピンチの状態になるのでハラハラします。
ウィル・スミスの演技と最新の技術に驚かされる名シーンです。
【名シーン②】感情や痛覚を取り除いた最強のクローン兵士との対決シーン
ヴェリスが放った最後の暗殺者との対決シーン。
ヘンリーとジュニア、ダニーの3人が連携して立ち向かっても全く歯が立たず、ボコボコにされていきます。
機転をきかせたダニーが可燃物を撃ち抜いて炎上させたところで、ようやく暗殺者の動きを止めることができます。
沈黙した暗殺者に近寄り、恐る恐るそのマスクを剥がすと、目の前にはジュニアと同じくヘンリーの若い頃にそっくりなクローンが現れたのでした。
【無料視聴】ジェミニマン全編を高画質で見る方法
いかがでしたか？
実際はもっとたくさんの見どころや泣きどころがあり、紹介しきれないので、ぜひ最初からエンディングまでしっかり観て欲しいと思います！
「レンタルは面倒だなぁ…」
そうですよね。
映画を全編しっかりと観ようとすればDVDやBlue-rayをレンタルショップで借りてくるのが一般的ですが、借りにいくのも返しにいくのも時間と手間がかかってしまいます。
そこで、筆者は定額見放題の「動画配信サービス」をオススメします。
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2020年現在、見放題作品数がもっとも多いのは、U-NEXTで約5万件、次いでHuluで4万件となっており、このどちらかで選べば間違いありません。
「無料で観れるサービスはないの？」
一部の海外サイトには映画がまるまる無料で視聴できるものもありますが、画質が悪い上に違法行為となってしまうため、筆者はオススメしません。
罪になると思いながらだとせっかくの映画に集中できませんし、楽しめませんよね。
ジェミニマンを無料で全部観たい！という場合は、まずはU-NEXTやhuluで閲覧できるか無料体験に申し込んでみてください。
（動画サービスの閲覧作品は随時更新されているため、取り扱いがない可能性もあります。ご注意ください。）
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