「ボーダーライン」(原題「Sicario」)は、2015年に公開された、アメリカのクライムアクション映画です。
原題の「Sicario」はスペイン語で、「殺し屋」という意味です。
なぜスペイン語なのか?それは、本作の舞台となっているメキシコや主役であるアレハンドロの出身国がコロンビアで、それぞれ公用語がスペイン語であるため、題名がスペイン語でつけられているのです。
派手なアクションの裏側に、複雑化・泥沼化する麻薬取引と、綺麗事では片付けられない捜査の実態が描かれており、鑑賞後に胸が締め付けられるような感覚に陥る問題作品です。
そんな「ボーダーライン」を見逃してしまったあなたのために、作品の大まかなあらすじと見どころを紹介し、「ボーダーライン」を観るべきかどうか判断できるようにお手伝いします!
目次
【ネタバレ】ストーリーの全容をざっくり紹介
まずは「ボーダーライン」の登場人物やその関係性、全体のストーリーをざっくりまとめて紹介します。
あなたが忙しく、記事を読んでいる時間がない場合を考えて、予告動画を紹介しておきます。
この動画だけで全てを理解することは難しいのですが、雰囲気だけでもつかんでください。
本作のストーリー上、重要なポイントを先に伝えておくと以下の通りです。
- メイサー:FBI誘拐即応班リーダー
- アレハンドロ:コロンビアの元検事
- マット:自称「国防総省の顧問」
- レジー:メイサーの相棒
- ディアス:麻薬王の片腕
本作は、麻薬カルテルの深く複雑な闇に主人公のメイサーが触れていく物語です。
登場人物は主に、メイサーとレジーのFBI捜査官、マットとアレハンドロのCIA、ディアスをはじめとした麻薬カルテルの3つにグルーピングすることができます。
したがって、覚えておきたいのは各グループの主要人物であるこちらの5名です。
- 麻薬王の逮捕に燃えるメイサー
- マットの部隊に志願する
- 直面する麻薬組織の闇と違法捜査
- 信念と心を折られてしまうメイサー
FBIの誘拐即応班のリーダーとして活躍していたメイサーは麻薬カルテルが起こす誘拐事件を日々追っていました。
ある日国防総省の顧問を名乗るマットのチームに推薦され、志願するのですが、そこではメイサーの信念に大きく反する違法捜査が繰り返されます。
違法捜査をやめるよう訴えるメイサーは、麻薬カルテルに全てを奪われたアレハンドロを知るにつれて、何が正しいのかわからなくなってしまいます。
白黒はっきり分かれるのが特徴のアメリカ映画において、ここまで何が正しいのかわからなくなる映画は珍しく、オススメです。
【30秒でわかる】「ボーダーライン」のストーリーを大まかに紹介!
ここではストーリー全体を30秒で理解できる程度にまとめ、大まかなストーリーを紹介していきます。
あなたが「ボーダーライン」を観ていなくても、これを読めばざっくりしたあらすじをつかむことができます。
1【麻薬カルテルとの戦い】
- シカリオはメキシコで暗殺者の意味
- FBIの誘拐即応班が車ごと家に突入
- 家の壁から35体の死体が出てきた
- 外の小屋が爆発し2人の警察官が死ぬ
- メイサーを引き抜く会議
- ディアスは麻薬カルテルの幹部
- 麻薬カルテルの捜査にメイサー志願
2【戸惑うメイサー】
- 自家用機でアレハンドロと合流
- メキシコからディアスの兄を移送する任務
- 国境線でカルテルの殺し屋たちが接近
- マットとアレハンドロの指揮で全員射殺
- 行き過ぎた違法捜査に憤るメイサー
- 麻薬犯罪の実態を理解しろと切り捨てるマット
- アレハンドロがギエルモ(ディアスの兄)に拷問
3【有力情報を入手】
- ギエルモから秘密のトンネルの情報
- SWAT要請しディアスの取引口座を凍結する
- ディアスの逮捕を巡ってマットと対立するメイサー
- マットの舞台は超法規的行動が許されている
- 荒れるメイサーがレジーとバーへ
- レジーの友人の警官と出会い恋に落ちる
- 警官はカルテルに買収されていて殺されそうになる
- アレハンドロに助けられるメイサー
- 麻薬王がディアスをメキシコに呼び出し
- トンネルへの突入作戦開始
- 汚職警官がパトカーに麻薬を積んでいる
4【アレハンドロの復讐】
- アレハンドロが汚職警官を脅しディアスを追う
- 追いかけてきたメイサーをアレハンドロが撃つ
- 激怒したメイサーがマットに詰め寄り真実を聞く
- マットは正しい秩序に戻すために麻薬王暗殺を狙う
- アレハンドロはコロンビアのカルテルの刺客
- 麻薬王に家族を惨殺され復讐したい
- アレハンドロがディアスに追いつき麻薬王のもとへ
- ディアスの首を切り門番も射殺し家に侵入
- 家族で食事中の麻薬王の前に現れたアレハンドロ
- 子供2人と妻を麻薬王の目の前で射殺
- 悲しみで絶句する麻薬王も射殺する
5【シカリオの後始末】
- メイサーの家に忍び込んだアレハンドロ
- 銃を向けて書類にサインしろと脅迫
- 作戦は全て法を遵守したものだという内容
- 断るもアレハンドロの脅迫に負けてサイン
- 法の秩序がある小さな街に引っ越すよう促す
- アレハンドロに銃を向けるも撃てないメイサー
はじめに言うと、本作はいわゆる「すっきりするアクション映画」ではありません。
正義と悪という明確な区別もつかないかもしれません。
麻薬王にも暖かい家庭があったり、買収されている警察官にもごくごく普通の家庭があったり、捜査するCIAには法律を破る汚さがあったり、綺麗事や理想だけでは何も変えられなかったりと、かなり価値観を揺さぶられるストーリーとなっています。
【口コミ】「ボーダーライン」の感想を分析!
ネット上には「ボーダーライン」について様々な投稿があります。
ここでは、Twitterに投稿された「ボーダーライン」についての意見をいくつか取り上げて、傾向を解説します。
映画「ボーダーライン」のやるかやられるかの緊迫した状況で敵が銃向けてきた瞬間容赦なく攻撃する描写、残酷だけど敵に隙を見せない感じがすごく良い。 pic.twitter.com/7wHPkjN9Kd
— くたぽでぃ (@Warmachinesaiko) June 25, 2019
【ボーダーライン】
映画をスマホで見るなんてありえないだろ❗️って思ってたのにアマプラにあったから我慢出来ずに鑑賞
スマホ画面でも十分に楽しめるね。イヤフォンだと音も良いよ。ソルジャーズデイもそうだけど、緊張感がハンパない。でもこれボーダーライン的には完全にアウトだよね(善悪の) pic.twitter.com/rHuH9CeHd8
— ごんピクシー 映画野郎Aチーム (@grandir88) May 26, 2019
善悪の境界が分からなくなったので、映画『ボーダーライン』を見たら、あまりにも面白すぎて絶句した。
メキシコ麻薬を取り締まる米女性兵士(DEA)が、
麻薬カクテルを追う内にCIAの陰謀に巻きこまれるといったサスペンス映画で、
「メタルギア」が好きな人間ほどめちゃくちゃハマる。超良かった。
— スイ@もぐもぐ🍧 (@straydrop411) September 2, 2019
#ボーダーライン Netflix観賞。続編用の復習。ほぼ空気なのにクレジット上主人公となってるケイトを観客視点カメラとして据えた、復習劇のドキュメント。初めて足を踏み入れた常識の通用しない世界の緊張した空気感等、ドゥニ映画らしいと言えばらしい、人を選ぶ映画だな…と。 #映画好きと繋がりたい pic.twitter.com/IIzHDuMcCb
— 裏庭 (@uraniwa1010) November 19, 2018
『ボーダーライン』(2015/🇺🇸)
監督 ドゥニ ヴィルヌーヴ
主人公の女性FBI捜査官が闇のリアルに食い潰されていく様に萌え。世界一殺人の多い町メキシコはフアレスの緊張感と、渋すぎるシカリオ役はデルトロの名演など骨太な一本。 pic.twitter.com/Tl1cza0RQc— 毛穴貴祥 (@burafu) April 11, 2016
「ボーダーライン」を観た人はほぼ好意的な投稿をしているようです。
特に高評価だった項目は「ストーリー」と「キャスティング」です。
「ストーリー」については、残酷かつ複雑な現実を見事に描写した、独特の世界観を評価している人が多いようで、「キャスティング」についてはアレハンドロ役のデル・トロへの支持が圧倒的多数を占めていました。
主演じゃないのにこの存在感、圧倒されますよ。
【名シーンの紹介】ただただ重い…名シーンの数々
ここでは「ボーダーライン」の中でも特にあなたに観てほしい名シーンをピックアップして紹介します。
善も悪もない世界で、復讐と制裁が行われる、あなたの心にも何かを残すこと間違いなしの名シーンです。
【名シーン①】残虐な現場…誘拐即応チームの突入シーン
メイサーが麻薬カルテルの捜査チームに編入されるきっかけとなった突入作戦。
誘拐の疑いで突入に踏み切った家には、35人の遺体が壁に埋められており、背後にいるのは麻薬カルテルであることを知ったメイサーは強く憤ります。
本作は年齢制限がかけられていることが納得できる非常にグロテスクでショッキングなシーンです。
【名シーン②】誰も信じるな!国境での銃撃シーン
ディアスの兄をメキシコで引き取り、国境を越えようとするチーム。
いつどこで襲われるかわからない緊張感の中で、渋滞にはまります。
周囲に不審な車両がいないかアンテナを高くする隊員たち。
そこで、2台の疑わしい車両を発見し、隊員たちが銃を構えて取りかこむのですが、撃つか撃たれるかの緊迫感が十分すぎるほど伝わってくる名シーンです。
【名シーン③】ディアスを追え!秘密トンネルを急襲するシーン
麻薬カルテルが使用している秘密のトンネルを部隊が急襲するシーン。
暗視スコープを装備し、まるでゲームの世界かと思わせるようなカメラワークで、突入から制圧までを描いています。
筆者は、このシーンを見たときに真っ先にメタルギアソリッドを思い出しました。
【名シーン④】シカリオの復讐…麻薬王を暗殺するシーン
作戦通りディアスを捕まえ、麻薬王のもとへと向かうアレハンドロ。
冷静沈着に、そして的確に麻薬王の手下たちを射殺していき、あっという間に麻薬王の食卓に侵入します。
このシーン、本当にどちらが正義で悪なのか区別できない、変な錯覚を感じるのは筆者だけではないはずです。
そして、アレハンドロに感情移入すると、妻の首を切られ、娘を酸で殺された父親の感情が相手に残酷な死を求めるのは仕方ないと思えます。
一方で、目の前で妻や子供たちを殺された麻薬王の絶望感にも同情できます。
本当に、心に重いものがずっしりと残るシーンです。
【名シーン⑤】様々な感情が入り混じるラストシーン
ベランダでタバコを吸うメイサーが気づかないうちにアレハンドロが家に侵入し、メイサーに拳銃を向けます。
この捜査が全て合法だったことを証明するサインをしろと。
正義感の強いメイサーは泣きながらサインできないと断るのですが、アレハンドロは冷静に、淡々とメイサーの顎に拳銃を突きつけてサインを求めます。
本当に殺されるだろうと予感したメイサーはサインしてしまうわけですが、メイサーの手をとったり、頬を撫でるアレハンドロの手は本当に優しく見えて、理不尽な要求をしているシーンなのか?一瞬わからなくなってしまいます。
デル・トロの名演技がなせる技なのだと思います。
【無料視聴】ボーダーライン全編を高画質で見る方法
いかがでしたか?
実際はもっとたくさんの見どころや泣きどころがあり、紹介しきれないので、ぜひ最初からエンディングまでしっかり観て欲しいと思います!
「レンタルは面倒だなぁ…」
そうですよね。
映画を全編しっかりと観ようとすればDVDやBlue-rayをレンタルショップで借りてくるのが一般的ですが、借りにいくのも返しにいくのも時間と手間がかかってしまいます。
そこで、筆者は定額見放題の「動画配信サービス」をオススメします。
インターネット回線を通して、PCやスマホ、TVで映画やドラマを見ることができるサービスです。
利用者が多く、大手サービスとしてはドコモが提供する「dTV」、国内コンテンツに強い「U-NEXT」、海外発のサービスで日本に上陸した「Netflix」や「hulu」などがあります。
あなたがTVやスマホで映画やドラマを観るなら、動画サービスは「見放題の作品数がどれだけあるのか?」で選んでください。
2020年現在、見放題作品数がもっとも多いのは、U-NEXTで約5万件、次いでHuluで4万件となっており、このどちらかで選べば間違いありません。
「無料で観れるサービスはないの?」
一部の海外サイトには映画がまるまる無料で視聴できるものもありますが、画質が悪い上に違法行為となってしまうため、筆者はオススメしません。
罪になると思いながらだとせっかくの映画に集中できませんし、楽しめませんよね。
ボーダーラインを無料で全部観たい!という場合は、まずはU-NEXTやhuluで閲覧できるか無料体験に申し込んでみてください。
(動画サービスの閲覧作品は随時更新されているため、取り扱いがない可能性もあります。ご注意ください。)
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