「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」(原題:Sicario: Day of the Soldado)は、2018年に公開された、アメリカのアクション映画です。
2015年に放映された「ボーダーライン(原題「Sicario」)」のスピンオフ作品で、直接的なストーリーの繋がりはないものの、前作同様かそれ以上にメキシコの闇を描いた名作です。
原題の「Sicario」は直訳すると「暗殺者」で、「Soldado」は「兵士」となり、「暗殺者〜その兵士の一日」という意味になります。
誰を暗殺者・兵士と見なすかによっても意味が変わってくる意味深なタイトルです。
そんな「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」を見逃してしまったあなたのために、作品の大まかなあらすじと見どころを紹介し、「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」を観るべきかどうか判断できるようにお手伝いします!
目次
【ネタバレ注意】作品の全容をざっくり紹介
まずは「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」の登場人物やその関係性、全体のストーリーをざっくりまとめて紹介します。
あなたが忙しく、記事を読んでいる時間がない場合を考えて、予告動画を紹介しておきます。
この動画だけで全てを理解することは難しいのですが、雰囲気だけでもつかんでください。
事前に押さえておきたい「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」の主要な登場人物たち
- アレハンドロ・ギリック:カルロス・レイエスが率いる麻薬カルテルに家族を惨殺された元検事。暗殺者としてに協力する
- イザベル・レイエス:麻薬カルテルのボス、カルロス・レイエスの娘
- マット・クレイヴァー:CIAで拉致や暗殺などを行うチームのリーダー
- ミゲル・ヘルナンデス:従兄弟の誘いでギャング団に入り、悪に染まっていくメキシコの少年
本作では主要な登場人物の4人が、CIAの「麻薬カルテル同士の抗争を誘発する作戦」に関わったことで、残酷な現実を目の当たりにし、翻弄され、人生観を変えていきます。
それぞれの人生観がどう変わったのか?という視点で観ると、新たな発見があって数倍楽しめます。
「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」のストーリーを大まかに紹介
- アメリカ国内の自爆テロが発生
- 実行犯は麻薬カルテル経由で密入国した可能性
- CIAがカルテル同士の抗争を誘発して報復
- レイエスの娘を誘拐して対立組織に渡す作戦
- 自爆テロ犯はアメリカ市民であることが発覚
- 大統領の判断によって作戦中止
- 目撃者のイサベルとアレハンドロの抹殺指令
まず、ストーリーの大枠を掴むために、どのような流れでCIAが作戦行動をとったかを把握してください。
アメリカで起きたテロ事件の捜査と報復のための作戦だったわけですが、報復相手としていた麻薬カルテルが実は無関係であったことが後から発覚して、マットやアレハンドロは国防省からハシゴを外された格好になります。
1【自爆テロ犯】
- アメリカのスーパーで3人の男が自爆テロ
- 子供2名を含む15人が死亡する大惨事に
- 犯人はメキシコ経由で密入国した疑い
- 国境地帯に住むミゲルが従兄弟と密会
- マタモロス・カルテルから仕事を依頼される
- マットが国防長官から作戦実行の相談を受ける
- レイエス・カルテルが実行犯を密入国させた疑い
- レイエスの娘を誘拐し麻薬カルテルを内戦状態にする
- アメリカの関与がバレないように実行する汚い作戦
2【カルテルへの復讐】
- マットがアレハンドロに作戦参加の依頼
- アレハンドロにとって家族の仇をうつチャンス
- 手始めにマタモロス・カルテルの弁護士を襲撃
- 世間ではカルテル同士の抗争かと報道される
- 学校帰りのレイエスの娘イサベルを拉致する
- 運転手にマタモロスの名前を告げてその場に残す
- ミゲルは何度か国境を越えて車で移動する仕事
- アレハンドロはイサベルをアメリカの空き家に監禁
- 麻薬取締局による救出劇を偽装しイサベルを保護する
3【狂いだす歯車】
- イザベルをマタモロスの支配下のある警察に引き渡す作戦
- メキシコ警察にイサベル輸送を秘密裏に伝え根回し
- 帰り道でミゲルとアレハンドロが偶然顔を合わせる
- ミゲルが密入国者たちを先導する仕事を指示される
- 無事成功させてカルテルからの信頼を重ねていく
- 装甲車3台で国境を通過し警察の車両が護衛に加わる
- 突如待ち伏せや護衛の警察から襲撃を受けて反撃
- イサベルが恐怖に耐えられずに車から降りて逃走する
- 護衛の警察官を全員射殺するも後方から追っ手が迫る
4【二人だけの逃走】
- アレハンドロが単身でイサベルを捜索しマットらは引き返す
- アレハンドロがイサベルを見つけ二人で国境を目指す
- 耳が聞こえないアンヘルと出会いアレハンドロが手話で会話
- マットが大統領命令で作戦が中止になったことを伝えられる
- 自爆犯が別に見つかり、メキシコ警察を殺したことが問題に
- 作戦隠蔽のためアレハンドロとイサベルの抹殺指令が下る
- マットからアレハンドロにイサベル抹殺を伝えるも拒否する
- アレハンドロは独力でイサベルをアメリカに連れて行く決意
- アレハンドロがイサベルに耳が不自由だった娘の話をする
- イサベルがアレハンドロの家族を殺したのがレイエスだと知る
5【衝撃の結末】
- 二人はアメリカに密入国するためにマタモロスの手下のところへ
- マットの部隊がイサベルのGPSを確認して出動する
- ミゲルがアレハンドロに気付き二人は捕らえられてしまう
- アレハンドロがミゲルによって射殺されイサベルは連れ去られる
- ヘリで衛星写真で殺害の一部始終を見ていたマットが放心状態
- マットの部隊がマタモロスの手下を包囲し皆殺しにする
- 命令に背きイサベルを証人保護プログラムを適用させて保護する
- 重傷ながらも息を吹き返したアレハンドロが車でイサベルを追いかける
- それから1年後、すっかりギャングになったミゲルがモールに現れる
- 待っていたアレハンドロが「将来について話しあおう」と扉を閉める
4人の人生観が大きく変わっていく点に注目
前作「ボーダーライン」ではCIAのマットもシカリオ(暗殺者)のアレハンドロも、ものすごくドライで非情なキャラクターでしたが、本作ではそれが一変します。
信じていた国や、仲間や家族など様々な環境の中で、それぞれの人生観が変わっていく様子が描かれ、前作よりもヒューマンドラマの要素がかなり強くなっています。
ここでは、アレハンドロ、マット、イサベル、ミゲルの4人がどう人生観を変えていったのか、解説していきます。
惨殺された娘とイサベルを重ねたアレハンドロ
イサベルと共に過ごす時間が長くなり、だんだんと娘を思い出していくアレハンドロ。
二人で逃走中にアンヘルと出会い、久しぶりの手話を使い、アンヘルの子供を見ると、いよいよイサベルに娘を重ねていきます。
マットからイサベル抹殺の指令が出るとそれを拒否し、旅立ちの前夜に酸のプールに投げ込まれた娘や、それを指示したのがイサベルの父カルロス・レイエスであることを話します。
最後はレイエスを守りきれなかったアレハンドロですが、ミゲルから撃たれてから1年後、再びミゲルの前に姿を表し、(恐らく)ミゲルをギャングから抜けさせて更生させようとします。
前作や本作の前半まであれだけ復讐に燃えていたアレハンドロが見える父親の顔が、観賞後も心に残る素晴らしい演技です。
戦友を想い、その意志を守ろうとしたマット
任務遂行のためには汚れ仕事も涼しい顔で遂行するマット。
実際に前作でも本作の大半でも違法な武器の調達から、対象の殲滅まで顔色一つ変えずに実行するプロフェッショナルです。
そんなマットが、アレハンドロに対する抹殺指令だけは最後まで拒否します。
イサベルのGPSを追ってヘリで出動してからアレハンドロの射殺現場を見るまで、部下に対してアレハンドロを殺す命令を出していません。
最終的にイサベルを連れ去ったマタモロスの手下を皆殺しにし、命令に背いてイサベルを保護するわけですが、これはマットの命令に背いてまでアレハンドロが守ろうとした意志を受け継いだものと思われます。
アレハンドロ同様、前作では考えられなかった人間臭い行動に感動します。
初めて世の中と父親の真の顔を見たイサベル
登場シーンではいきなり同窓生に馬乗りになって殴りまくるイサベル。
学校の先生に咎められると、「どうせ退学にできないんでしょ?」と生意気な発言。
この地域ではカルロス・レイエスの影響力が強く、娘に下手なことをすると殺されてしまうから教師も強く出れず、またイサベルもそれを見抜いている様子。
典型的な権力者の娘、お嬢様という感じ。
そんなイサベルが拉致され、アレハンドロと行動を共にするようになり、自分自身では何もできない無力な存在であることに気付き、素直になっていきます。
また、今まで権力の象徴であった父の指示で実際に家族を失ったアレハンドロを目の前にしたり、そのアレハンドロが目の前で殺されたことで、暴力や死といったものを身近に感じ急激に性格までも変わっていきます。
最も印象深かったのは、アレハンドロと密入国に向かう前夜、イサベルが髪の毛を自分自身の手で短く切るシーンとアレハンドロが撃たれた際に心の底から叫び、放心状態になるシーン。
これらを見ると、二人の信頼関係はもしかしたら実の親子のようになっていたのかもしれないと筆者は思います。
大人しい少年がギャングへと変貌していくミゲル。
4人の中で唯一悪い方に変わっていくのがミゲルで、原題である「暗殺者・兵士」はミゲルを指しているのではないかと個人的には思います。
最初は脇役なのかな?と観ていたのですが、アレハンドロとイサベルの運命を大きく変えたのはミゲルでした。
当初は従兄弟から誘われて小遣いがもらえるから程度の軽い気持ちで入ったギャングで、どんどん犯罪度の高い仕事を任されていきます。
この辺り、メキシコに潜んだ闇を描いているわけですが、ラストシーンでは見た目もすっかり悪くなってしまったミゲルをアレハンドロが待ち伏せています。
誰が見ても報復だと思うシーンですが、将来について話し合おうと意外な展開。
この後ミゲルは更生するのか、結局アレハンドロに報復されるのか観ている川の想像力に委ねられています。
【口コミ】「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」の感想を分析!
ネット上には「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」について様々な投稿があります。
ここでは、Twitterに投稿された「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」についての意見をいくつか取り上げて、傾向を解説します。
『ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ』(アマプラ)
良い意味でも悪い意味でも豪快なスリラー映画といった趣。前作ほど静謐さは無いけど、その分わかりやすい面白さがある。あとベニチオ・デル・トロとジョシュ・ブローリンのダーティな魅力が全編に溢れていて中々タマラナイ。前作と合わせオススメ pic.twitter.com/z98yQSZJNx— 地獄 (@TiBlc) April 8, 2020
『ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ』観た。ただただベニチオ・デル・トロ演じるアレハンドロがタフで恐ろしい……。 pic.twitter.com/wgzax4AfTq
— 口顎飲しゃくれ (@0212Shakure) April 4, 2020
「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」(2018)
アメリカで起きたテロをきっかけにメキシコの麻薬組織内での内部戦争を起こさす作戦を立てるのだが……。
前作同様僕はもう大好きです。これはもう1を見終わったリズムでそのまま見てほしい。ベニチオ・トロが今回もしっかり格好いい。たまらず一気見。 pic.twitter.com/lo7ZI8IiGS— ナナシノ (@myeyestoothin) April 10, 2020
「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」
前作もそうだったけどデルトロとブロリーンの重厚感が凄い!
乾いた銃撃戦にとにかく痺れました!続編あったら次は劇場で観たいと思います。 pic.twitter.com/u1K48vXx66
— ジュラシックパーク君 (@bIS6jyYcLIsrM7o) April 11, 2020
『ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ』を見ました。前作と同じように緊張が張り詰めたシナリオと前作を凌ぐアクション演出。メインストーリーと並行して描かれるサブストーリーが「おお、こう来るか」と。最後の最後、あの子にとってはホラーだったろうなと思うとちょっと笑ってしまいました。
— あやねあすか@カクヨム (@AYNasuka) April 6, 2020
「ボーダーライン ソルジャーズ・デイ」観た!
最後まで常に緊迫した雰囲気で、見ていて気が抜けたり飽きることがなくてあっという間
話は繋がってないから1作目を見なくても楽しめる内容かも
ラストの感じからして続編作られるのかな?
あとボーダーライン2作品を見てデルトロの魅力を知れたと思う! pic.twitter.com/mkx0I9fPY7— さえ (@llllm_q) April 6, 2020
本作を観たユーザーはほぼ好意的な投稿をしています。
キャスティング、ストーリー、アクションシーンとどれをとっても絶賛するユーザーが多く、実際に観た筆者も全く同じ感想を抱きました。
アクション好きだけでなく、ヒューマンドラマや社会派スリラー映画が好きな人にとってもきっと満足できるほどの名作です。
自信を持ってオススメします。
【名シーン紹介】アクション好きを唸らせる本格的な爆発と銃撃!名シーンの数々
様々な要素を含んだ名作ではありますが、特にアクションシーンは群を抜いており、あなたがアクション好きであれば必見レベルです。
どのシーンも部屋を暗くして、音量大きめで観ることをオススメします。
【名シーン①】全てはここから始まった…自爆テロシーン
あまりにもリアルすぎて思わず目を背けたくなるシーン。
彼らがメキシコ経由での密入国者だという情報から一連の作戦は決行されるわけですが、のちのアメリカ市民であることが判明…
アメリカの闇を感じるシーンです。
【名シーン②】抗争の引き金となる最初の暗殺シーン
麻薬カルテル同士の抗争を誘発する作戦の第一歩です。
マットらは、マタモロス・カルテルの弁護士を襲撃し、射殺します。
事件後、メディアはレイエス・カルテルによる襲撃かと報じており、CIAの思惑通りにことが進み出したことがわかります。
アレハンドロが弁護士にとどめを刺す時の独特な射撃シーンが本作で最も有名かもしれません。
【名シーン③】イサベル移送中に護衛のメキシコ警察から襲われるシーン
イサベルをメキシコ国内に移送中、突如マットら部隊を警察隊が襲撃してきます。
ロケット砲で撃ち込まれ、至近距離から機関銃で乱射されるシーンは迫力満点です。
一通り制圧が済むと、投降を申し出る警察隊の一人から突如銃撃を受け、反射的に全員を射殺してしまいます。
正統防衛ではあるものの、警察官を全滅させ、現場にアメリカの関与がわかる遺留物が残されていたことで、メキシコ政府から猛抗議を受け、本作戦は終了となってしまいます。
【名シーン④】マタモロスのギャングをヘリで追いかけて殲滅するシーン
アレハンドロが射殺された現場を映像で確認したマットは、ヘリに乗った部隊でマタモロスのギャングを追いかけます。
戦闘ヘリ、ブラックホークの一機が頭を押さえ、狙撃手が運転手(ミゲルの従兄弟)を射殺すると、もう一機から降りてきたマットらによってギャング全員が射殺されます。
あまりの手際の良さであっという間に終わるシーンなので瞬き禁止です!
【名シーン⑤】瀕死のアレハンドロが追っ手をきれいに爆殺するシーン
ミゲルに撃たれたのは頬で、運よく貫通したため、重傷ではあるものの一命を取り留めたアレハンドロ。
イサベラを追うためにふらふらになりながらギャングの車を運転していきます。
途中、マタモロスの手下が追いかけてきますが、ゆっくりとした手つきで手榴弾のピンを抜き、追っ手の車の中に放り込んで爆発させます。
このアレハンドロの一連の「ノロノロした演技」が実はすごいんじゃないかと筆者は思います。
【無料視聴】ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ全編を高画質で見る方法
いかがでしたか?
実際はもっとたくさんの見どころや泣きどころがあり、紹介しきれないので、ぜひ最初からエンディングまでしっかり観て欲しいと思います!
「レンタルは面倒だなぁ…」
そうですよね。
映画を全編しっかりと観ようとすればDVDやBlue-rayをレンタルショップで借りてくるのが一般的ですが、借りにいくのも返しにいくのも時間と手間がかかってしまいます。
そこで、筆者は定額見放題の「動画配信サービス」をオススメします。
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2020年現在、見放題作品数がもっとも多いのは、U-NEXTで約5万件、次いでHuluで4万件となっており、このどちらかで選べば間違いありません。
「無料で観れるサービスはないの?」
一部の海外サイトには映画がまるまる無料で視聴できるものもありますが、画質が悪い上に違法行為となってしまうため、筆者はオススメしません。
罪になると思いながらだとせっかくの映画に集中できませんし、楽しめませんよね。
ボーダーライン:ソルジャーズ・デイを無料で全部観たい!という場合は、まずはU-NEXTやhuluで閲覧できるか無料体験に申し込んでみてください。
(動画サービスの閲覧作品は随時更新されているため、取り扱いがない可能性もあります。ご注意ください。)
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