「ジョーカー」(原題:joker)は、2019年に公開された、アメリカのスリラー映画です。
ジョーカーといえば、DCコミックスのヒーロー、「バットマン」に登場する悪者として有名ですが、本作はそのジョーカーが誕生する経緯を描いた作品となります。
これまでの作品に登場してきたジョーカーとは全く異なる世界観や解釈で作られており、バットマンシリーズを知らない人でも惹き込まれてしまう問題作です。
主演はホアキン・フェニックスで、信じてきたものが次々と崩壊し、次第に内側に秘めた悪が心を支配していくジョーカー誕生の過程を見事に演じており、また脇役にロバート・デ・ニーロが起用されるなど隙のないキャスティングとなっています。
本作はヒーローアクションとは全く異なるジャンルの映画で、複雑は社会情勢やそこから弾き出された弱者から悪が生まれるという、風刺的な作品で、観終わった後も胸に何かが残る、そんな作品に仕上がっています。
そんな「ジョーカー」を見逃してしまったあなたのために、作品の大まかなあらすじと見どころを紹介し、「ジョーカー」を観るべきかどうか判断できるようにお手伝いします!
▽ジョーカーが登場する「バットマン」の他作品はこちら
目次
【ネタバレ注意】作品の全容をざっくり紹介
まずは「ジョーカー」の登場人物やその関係性、全体のストーリーをざっくりまとめて紹介します。
あなたが忙しく、記事を読んでいる時間がない場合を考えて、予告動画を紹介しておきます。
この動画だけで全てを理解することは難しいのですが、雰囲気だけでもつかんでください。
事前に押さえておきたい主要な登場人物たち
- アーサー・フレック:認知症の母ペニーの世話をしながらコメディアンを目指す道化師。過去のトラウマから精神疾患があり徐々に常軌を逸した行動をとるようになる
- ペニー・フレック:若い頃にウェイン家のメイドとして働いていた際にウェインと恋に落ちたと思い込んでいる。毎日のようにウェインに手紙を書き返事を待っている
- トーマス・ウェイン:ゴッサムシティ随一の大富豪で市議会議員。財政立て直しを目的に市が営む福祉政策を止めたことで貧困層から強い非難を受ける
- ブルース・ウェイン:トーマスの一人息子で後にバットマンとなる少年。目の前で両親を殺されてしまう
- マレー・フランクリン:人気TV番組「マレー・フランクリン・ショー」の司会者。アーサーが欠かさず観続けているほど熱烈なファン
- ソフィー・デュモンド:アーサーと同じアパートに住むシングルマザーで、アーサーが好意を寄せる
- ランドル:アーサーが所属する道化師派遣事務所の同僚。仕事中に暴行を受けたアーサーに銃を押し付けるように貸しその後のジョーカー誕生のきっかけを作る
本作に登場する人物は基本的に、アーサーがジョーカーになっていく過程に影響を与えています。
その中でも特にアーサーを含む7名の名前を覚えておいてください。
やや多く感じるかもしれませんが、アーサーの中で何かが変わる瞬間がわかりやすく描かれているため、なんとなく名前を頭に入れておく程度で問題ありません。
【あらすじを紹介】「ジョーカー」のストーリーを解説
ここではストーリー全体をさらに理解できるように、ストーリーを紹介していきます。
あなたが「ジョーカー」を観ていなくても、これを読めばざっくりしたあらすじをつかむことができます。
【社会の弱者】
- ゴッサムシティは暗いニュースで溢れかえっている
- アーサーは母を世話しながらコメディアンを目指している
- 突然笑い出してしまう病気で周囲とうまく馴染めない
- 母のペニーはウェインからの手紙を毎日待ち続けている
- ランドルから銃を強引に渡されて困惑しながらも持ち帰る
- 同じアパートに住むソフィーと出会いストーキングする
- 仕事先の病院で持っていた銃を落としてしまい仕事を失う
【偶然の殺人】
- 失意のアーサーが乗った地下鉄で男たちに絡まれる女性
- 偶然が重なり3人の証券マンを射殺してしまうアーサー
- パニックになりながらも徐々に別人格が目覚めていく
- そのままの足でソフィーの部屋に入るなりキスする
- 殺人報道で自分の存在が認められたと感じるアーサー
- 舞台に立ったアーサーは持病の症状が出てしまい失敗する
- ソフィーは舞台を観にきてくれその後もデートを楽しむ
- 帰宅しペニーの手紙を読むと衝撃的な内容が書かれていた
【辛い真実】
- 手紙にはアーサーがウェインとペニーの子供だという内容
- ウェインの屋敷にいくと執事から母を罵られ帰されてしまう
- 家に帰るとペニーが救急車で搬送されるところに遭遇する
- 殺人事件で警察がアーサーをマークしていることに気づく
- マレーが番組でアーサーの舞台をバカにするように紹介する
- 街は上流階級への不満からピエロのメイクでデモが行われる
- 混乱に乗じて劇場に忍び込んだアーサーはウェインに接近
- ウェインからアーサーは養子で母親は逮捕されたと言われる
【ジョーカーの目覚め】
- 家に帰るとマレーの番組からゲストにきてほしいと依頼
- アーサーが調べるとペニーは過去に精神病に入院していた
- 恋人が養子を虐待しているのを助けず有罪にもなっていた
- 絶望のアーサーがソフィーの部屋にいくと拒絶されてしまう
- ソフィーとは付き合っておらず全てアーサーの妄想だった
- 本当の自分に目覚めたアーサーは翌朝ペニーを殺してしまう
- アーサーはマレーの番組で拳銃自殺するというネタを計画
- 警察に怯えて家に来たランドルをハサミで刺し殺すアーサー
【鮮烈なデビュー】
- ジョーカーのメイクで番組に向かうアーサーを警察が追う
- ピエロに扮した暴徒と警察が衝突しその場を逃れるアーサー
- マレーの番組で証券マン殺害を告白すると軽蔑・否定される
- 存在を否定されたアーサーは憤りマレーをその場で射殺する
- アーサーは逮捕・連行されるもピエロの暴徒に救出される
- 暴動から逃れようとしたウェイン夫婦が裏道で射殺される
- 場面が変わりアーサーは手錠をつけて病院で面会を受ける
- ジョークを思いついたと言うと面会相手を殺して部屋を出ていく
本作は、母親を介護しながらつつましく生活する善人であるアーサーが、徐々に悪に染まっていくストーリーです。
アーサーが変化したターニングポイントを整理すると以下のようになります。
- 周囲からバカにされ足蹴にされても我慢する
- 偶然地下鉄で証券マンを射殺
- 自分がウェインの隠し子かもしれないと知る
- ウェインから母親を犯罪者と罵られる
- 調べると自分は養子で母親が犯罪者と知る
- アーサーが病室でペニーを殺す
- 家を訪ねてきたランドルを刺殺する
- マレーを生放送中に射殺する
行動は異常ではありますが、少なくとも恵まれない境遇に同情の余地があると感じる人もいるのではないでしょうか。
なお、ラストシーンは疑問が残るところだと思いますが、筆者は「これからやろうとしていることを妄想していた」と解釈しています。
病院で面会しているアーサーの髪の毛は黒くなっています。
これは時系列でいえば、ランドルを刺殺する前の時点と考えられます。
そして、この時点でアーサーが犯した殺人は証券マン3人とペニーの2件であるため、このどちらかの後で逮捕された可能性が高く、人格が変化していることを考えるとペニー殺害後だといえそうです。
アーサーの人格はペニー殺害時からはっきりと変わっているため、ウェインが暴漢に襲われることを含めたその後の殺人計画を妄想していたと考えると筋が通ります。
【口コミ】「ジョーカー」の感想を分析!
ネット上には「ジョーカー」について様々な投稿があります。
ここでは、Twitterに投稿された「ジョーカー」についての意見をいくつか取り上げて、傾向を解説します。
『#ジョーカー』
2回目みました。
やっぱりホアキン・フェニックスの演技が凄い。
特に銃を持ってる時の挙動が不気味すぎる!
アーサー可哀相ってなるのはジョーカーの思う壺なのかな🤡https://t.co/Yyr4uY8hVJ— Finn (@Finn76782629) July 12, 2021
久しぶりにJOKERを鑑賞。初の吹き替えにて。自分の中でこの映画は特別です。当時あまりに刺激的で衝撃を受けて2度映画館に足を運んだ。なにより誰しもがJOKERになりうる危うさ。その潤滑油に火がついてしまうカオスなゴッサムシティの風景は現実的に起こりうる怖さがあった。映画の枠を超えてる。
— Jun (@abgatacat) July 10, 2021
呑みながら『JOKER』観た🎥
中々のサイコパス映画だったけど、演技力ハンパなくて最高ですた(´◉◞౪◟◉) pic.twitter.com/tSyGm9yX8I
— 🍓🥛♆ マ キ R・O・N ♆🟣🤞 (@donsan_ruki) July 15, 2021
ジョーカーがトレンドにあがってたから映画JOKERを拝聴
クライマックスのジョーカーのセリフ
「悲劇か喜劇かそれは主観だ」続けてダークナイト視聴中
— シン (@hint20888255) July 12, 2021
『ジョーカー』っていう映画観たよー。
この映画は『ダークナイト』のジョーカーとまったくの別物として観る方が楽しめるよ。ボクはこの映画を観ると荒木飛呂彦さんが巻末(たぶん)で語っていた「真に怖いのは弱さを攻撃に変えた者」っていう文を思い出すよ。
— 野良猫 (@noraneko28281) July 11, 2021
本作を観たユーザーのほとんどが本作を好意的に受け入れています。
そして、その内容のほとんどが「ホアキン・フェニックスの演技力」と「誰でもジョーカーになってしまう危うさ」の2点に集まっています。
筆者も冒頭に書いたように、ジョーカー誕生の背景は現代社会の情勢がかなり影響しているため、自分ごと化して考えられる人が多いように思います。
【名シーン紹介】ジョーカーの見どころになる名シーンを一部紹介
ここでは、作品全体の中でも特にあなたに観てほしい重要な名シーンを抜粋して紹介します。
あなたが忙しい場合、ここで抜粋したシーンを観て本作を少しでも味わってもらいたいところですが、正直なところ、全体を観ないと伝わらないことが多いと思います。
そのため、少しでも面白そうと感じてくれるのであれば、改めて本作の全てを観ることをおすすめします!
【名シーン①】アーサーが初めて犯した地下鉄での殺人シーン
拳銃を落としてしまったことで仕事をクビになったアーサーは失意のまま夜の地下鉄に乗ります。
そこでたまたま酔って女性に絡む証券マンたちに遭遇し、巻き添えで暴行を受けてしまいます。
咄嗟に持っていた拳銃で3人を射殺したアーサーは、ここからジョーカーへの道を歩み始めていきます。
そして、くしくもこの時のピエロのメイクがジョーカーのトレードマークになっていきます。
【名シーン②】ジョーカーとして動き出した最初のシーン
母のペニーや元同僚のランドルを殺害したアーサーは、マレーの番組で自殺しようとメイクも服装も整えて家を出ます。
全てのしがらみから解放されたアーサーが階段で踊っていると、刑事に見つかり逃走することになります。
地下鉄に逃げ込むと、そこにはピエロのお面を被ったデモの集団がおり、アーサーはその中に紛れます。
上流階級への不満が高まった人々が警察と衝突すると、不満の矛先として止まることはなく、二人の刑事は重傷を負ってしまい、アーサーは難なくその場を逃れます。
ジョーカーという悪意が市民の中に入り込むとわからなくなってしまうこと、市民が少しのきっかけで悪意になってしまうことなどを風刺した名シーンです。
【無料視聴】ジョーカー全編を高画質で見る方法
いかがでしたか?
実際はもっとたくさんの見どころや泣きどころがあり、紹介しきれないので、ぜひ最初からエンディングまでしっかり観て欲しいと思います!
「レンタルは面倒だなぁ…」
そうですよね。
映画を全編しっかりと観ようとすればDVDやBlue-rayをレンタルショップで借りてくるのが一般的ですが、借りにいくのも返しにいくのも時間と手間がかかってしまいます。
そこで、筆者は定額見放題の「動画配信サービス」をオススメします。
インターネット回線を通して、PCやスマホ、TVで映画やドラマを見ることができるサービスです。
利用者が多く、大手サービスとしてはドコモが提供する「dTV」、国内コンテンツに強い「U-NEXT」、海外発のサービスで日本に上陸した「Netflix」や「hulu」などがあります。
あなたがTVやスマホで映画やドラマを観るなら、動画サービスは「見放題の作品数がどれだけあるのか?」で選んでください。
2020年現在、見放題作品数がもっとも多いのは、U-NEXTで約5万件、次いでHuluで4万件となっており、このどちらかで選べば間違いありません。
「無料で観れるサービスはないの?」
一部の海外サイトには映画がまるまる無料で視聴できるものもありますが、画質が悪い上に違法行為となってしまうため、筆者はオススメしません。
罪になると思いながらだとせっかくの映画に集中できませんし、楽しめませんよね。
ジョーカーを無料で全部観たい!という場合は、まずはU-NEXTやhuluで閲覧できるか無料体験に申し込んでみてください。
(動画サービスの閲覧作品は随時更新されているため、取り扱いがない可能性もあります。ご注意ください。)
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