「女神の見えざる手」(原題:Miss Sloane)は、2016年に公開された、アメリカの社会派サスペンス映画です。
銃規制強化法案を巡って、主人公のロビイスト、リズが政治家や銃擁護団体との激しいせめぎ合いを描いた作品です。
「銃規制」や「ロビー活動」「ロビイスト」など、日本人にはあまり馴染みのないテーマであるため、あなたは敬遠してしまうかもしれませんが、大筋でみれば爽快な大逆転劇となっていますので必見の映画です。
難しい用語についてはできるだけ解説しますので安心してください。
そんな「女神の見えざる手」を見逃してしまったあなたのために、作品の大まかなあらすじと見どころを紹介し、「女神の見えざる手」を観るべきかどうか判断できるようにお手伝いします!
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目次
【ネタバレ注意】作品の全容をざっくり紹介
まずは「女神の見えざる手」の登場人物やその関係性、全体のストーリーをざっくりまとめて紹介します。
あなたが忙しく、記事を読んでいる時間がない場合を考えて、予告動画を紹介しておきます。
この動画だけで全てを理解することは難しいのですが、名シーンも含まれているため、雰囲気だけでもつかんでください。
事前に押さえておきたい主要な登場人物たち
ピーターソン=W社
- エリザベス・スローン(リズ):手がけた案件を必ず勝利に導く敏腕ロビイスト
- シュミット:銃規制強化法案を可決させるためにリズをスカウト。CEO
- エズメ:銃規制のスペシャリスト。高校時代に銃乱射の現場に居合わせた生存者
コール=クラヴィッツ&W社
- デュポン:銃規制案件を受けないリズをクビにし敵対してからもリズを潰しにかかる。 CEO
- ジェーン:リズの元片腕。移籍時にリズに賛同せず残留するが、実はスパイ
- コナーズ:リズの元同僚。リズが去った後のチームリーダー
その他
- サンフォード:銃擁護団体の代表。規制法案を否決するために女性を取り込みたいと考えている
- スパーリング上院議員:デュポンに脅迫されてリズを潰すための聴問会を開く
- フォード:エスコートサービスの相手。偶然の出会いで歯車が狂わされる…!?
本作は、銃規制法案を巡って様々な立場の登場人物が登場します。
人数が多いため、苦手意識を持ってしまうかもしれませんが、それぞれの立場で分類すると意外とシンプルなのでまとめてみました。
メインは銃規制法案に賛成のロビー活動を進める「コール=クラヴィッツ&W」と、反対の立場をとる「ピーターソン=W」です。
物語はこの二つの会社の全面戦争だと覚えてもらえば大まかに理解できるはずです。
そこに、法案に反対するロビー活動を依頼した擁護団体の「サンフォード」と、そのサンフォードの依頼によって「コール=クラヴィッツ&W」が影で操っている政治家が「スパーリング上院議員」です。
最後の「フォード」については、ストーリー上そこまで重要な存在ではないのですが、本作でリズが唯一コントロールできなかった存在であるため、個人的に印象深かったためにピックアップしました。
耳慣れない、難しい用語を簡単に解説
社会派映画にありがちですが、聞いたことのない言葉や難しい言葉が出てくると、つい映画そのものへの興味が薄くなってしまいますよね。
筆者も実際に本作を観ていて、何度か停止ボタンを押しそうになりました…
そこで、日本人には馴染みのない専門用語を紹介し解説しておきますので、苦手意識を持つことなく安心して楽しんでください。
- ロビー活動:政府や政治家・団体が政策を実現に向けて、他政治家や世論を変え
- キャンペーンを企画・実行する一連の活動
- ロビイスト:政府や政治家・団体から雇われて、実際にロビー活動に動く民間人や組織
- 銃規制強化法案:銃を購入する際に犯罪歴や精神病暦をチェックする法案
- 修正第2条:アメリカ合衆国憲法に定められた、銃を保有する権利
- 修正第5条:アメリカ合衆国憲法に定められた、黙秘する権利
- ヌテラ税:フランスで導入されたパーム油への課税
【30秒でわかる】「女神の見えざる手」のストーリーを大まかに紹介!
ここではストーリー全体を30秒で理解できる程度にまとめ、大まかなストーリーを紹介していきます。
あなたが「女神の見えざる手」を観ていなくても、これを読めばざっくりしたあらすじをつかむことができます。
1【銃規制強化法案】
- 連邦議事堂での聴問会にリズと弁護士が出廷
- 過去のロビー活動について質問されるも黙秘を貫く
- 銃擁護団体のサンフォードがリズに仕事の依頼
- 銃規制強化法案の否決に女性から支持を得たい
- リズが依頼を断りCEOのデュポンから呼び出しを受ける
- 銃ロビーは会社として悲願のため協力しないならクビ
- リズは夜も寝ずに働くため精神刺激薬を服用している
- リズがシュミットから銃規制と戦ってほしいと依頼を受ける
2【移籍と全面戦争開始】
- 会社を移ることを決意するもジェーンは賛同せず残留
- 聴問会2日目も引き続きの質問への回答を拒否するリズ
- 不眠症の薬物使用を突っ込まれつい感情的に反論してしまう
- 第5条を放棄したと見なされ不利な立場に追い込まれてしまう
- スローンは仕事中心の生活でセックスもお金で済ます
- 銃規制強化法案を通すには地元の有力者や票を持った議員の抱き込みが必要
- エズメとの食事で高校時代に銃乱射事件に遭遇していたことを知る
- 事件の生存者としてではなくチームメンバーとして扱ってほしいと頼む
- 勝利には議員の60票の投票が必要で現状は賛成が44
3【リズのやり方】
- リズがエズメを討論会など公の場に出すようになる
- またホテルでフォードに金を払ってセックス
- フォードはリズのペースを乱すやりづらい存在
- リズらの活躍によって銃規制法案への賛成票が増えていく
- コナーズが個別にリズに1対1の討論会を仕掛けてくる
- リズが難関議員のゴメスをターゲットにすると宣言し周りを驚かせる
- コナーズが法案賛成のバッジリー議員に圧力をかけて反対票を獲得
- ゴメスの計画は囮でシンシアの裏切り者を暴露する
- リズが別に監視チームを持っていることをシュミットから咎められる
- シュミットが聴問会でシュミットの監視について証言する
- バッジリー議員の反対表明が市民とメディアが叩かれて再び支持に転じる
- 政治家のパーティー会場でフォードから話しかけられるも無視する
- コナーズの討論会でリズがエズメの話を暴露し勝つための道具として使う
- 自分は勝つために雇われたのだと開き直るリズにエズメが冷たい視線
4【形勢逆転】
- エズメがメディアの前で虐殺事件の証言し支持を集めていく
- フォードから仕事や素性の話をされ感情的にすべてを話してしまう
- エズメの活躍もあって法案通過ラインまで残り4人まできた
- エズメを銃で襲おうとした暴漢を一般人のマッギルが射殺
- コナーズがマッギルを前面に押し出して形勢を逆転させる
- 傷心のエズメにリズが詫びるも溝は埋まらず信頼関係が壊れる
- デュポンが聴問会でリズを叩くことを画策し裏付け調査を指示
- 票も足らず資金でも圧倒的に負けて焦るチームとリズ
5【窮地のリズ】
- ジェーンがとうとう倫理規定違反の証拠になる書類を発見
- デュポンがスパーリング上院議員を脅迫・買収して聴問会を要求
- 聴問会でリズの筆跡が残る書類が証拠になって倫理規定違反が確実
- 非営利団体の提出書類をロビイストが作成するのは違反
- 違法な監視について質問されるもやっていないと否認する
- 売春で刑事罰を狙ってフォードが証人喚問される
- フォードは挨拶した関係で売春相手ではないと証言
- 法案は昏睡状態となり激震がないと覆らない状態
6【衝撃の結末】
- 聴問会の最終日にリズから最後の発言を申し出る
- チャレンジ性に興奮し勝利への執着で一線を越えたことを詫びる
- 腐った国の制度と正しいことができない議員を非難する
- リズが話している最中にジェーンがコナーズに辞表を提出
- ジェーンはリズのスパイで敵の動きを全て把握していた
- リズは監視チームにスパーリング議員とデュポンの密会を録画
- ピーターソン=Wからリズへの報酬は0ドルだった
- リズは議会での偽証罪で刑務所に収監される
- 弁護士からスパーリングとデュポンの聴問会が始まることを聞く
- 刑務所を一人で出所するリズ
正直なところ、序盤は登場人物が多かったり、難しい言葉が多かったり、展開が早かったりでちょっと入り込みづらい映画だと感じました。
だんだんと慣れてくると、ちょうどリズのチームが乗りに乗ってきて気分がよくなったのも束の間、エズメが襲われたあたりから、次々と悪いことが起こり暗いムードに。
このまま終わるのかと思った最後の最後でスカッとする大逆転する展開は全く想像できませんでした。
冒頭のリズのセリフが全てを物語っています。
ロビー活動は予見すること。
敵の動きを予測し対策を考えること。
勝者は敵の一歩先を読んで計画し、敵が切り札を切った後自分の札を出す。
敵の不意を突くこと。
自分が突かれてはいけない。
全てがリズの計画通りに進み、リズの思惑通りの結末になったわけですが、実は一点だけリズが予見できず、不意をつかれたことがあります。
それは、「フォードが聴問会でリズをかばったこと」です。
割り切った関係を望むリズの懐になぜか入ってくるフォードですが、証人喚問された瞬間にリズは諦めた顔をします。
最後の切り札があるため、たとえ売春の罪に問われても結果は大きく変わらないからです。
ところが、フォードはリズをかばいます。
これが本作で唯一リズが不意をつかれ、想定通りにならなかったことです。
リズが描いた計画の一部始終と伏線の全てを紹介
全てを予見し、計画した通りに実現してきたリズですが、作中でどんな伏線を貼っていたのか、一度観ただけではわかりづらいと思います。
ここでは、リズの計画と伏線の全てを紹介し、あなたがスッキリできるようにお手伝いします。
- 倫理規定違反の証拠になる書類をジェーンに渡す
- ジェーンと喧嘩別れしコール=クラヴィッツ&W社に残す
- チームのエズメが賛成派を取り込む武器になることを見抜く
- コナーズとの討論会でわざと感情的に振る舞いエズメに振る
- 流れがリズ陣営に傾いてきたところでデュポンらが焦る
- 逆転を狙いリズの粗を探そうとするところでジェーンが書類を発見
- 監視チームがデュポンの行動を追跡し不正の現場を録音
- 公の場でその一部始終を暴露することでトドメを刺す
聴問会で、「監視していたか?」という質問に対してリズは「していない」と答えます。
これが偽証罪となってリズは刑務所に入ってしまうわけですが、なぜここで否認したのか。
監視データはリズにとって最後の切り札であって、相手が切り札を切るまで出さないというポリシーがあるからです。
刑務所になることさえも恐れないリズのプロ意識に頭が上がりません。
【口コミ】「女神の見えざる手」の感想を分析!
ネット上には「女神の見えざる手」について様々な投稿があります。
ここでは、Twitterに投稿された「女神の見えざる手」についての意見をいくつか取り上げて、傾向を解説します。
今年観た中で一番おもしろい映画
「女神の見えざる手」👏👏👏
これは是非見てほしい作品。
そして見る前にあらすじとかは読まないで見てほしいです。
私も友人にそう言われ予備知識なしに見ました。
そして1回途中で挫折し、今日改めて観たのだけどほんとおもしろい👍是非↓ pic.twitter.com/AODmAGJ3m0
— Kenken (@Kenken77565321) March 21, 2020
【オススメNetflix】
強い女性を描いたもので、とにかくエンパワーされる!
「女神の見えざる手」
・戦略的なロビーイング活動
・銃社会の対立構造も学べる
・強い女性かっこいい
・交渉も学べる
・最後「うおおおおおおお」ってなるから絶対最後までみて全女性に勧めるわ pic.twitter.com/nPPGajyOFl
— アイヴィー👩💻English強化月間 (@ivy_sayaka) March 20, 2020
女神の見えざる手見て爆泣き、法学徒全員見ろ pic.twitter.com/E5eDtTUFEK
— めめへら (@memehera_) March 17, 2020
「女神の見えざる手」を観た
ロビー活動、ロビイストの話
欧米では専門の会社があるほど当たり前
でも日本ではあまり見られない
有名なフリマ会社がロビー活動をしてるらしいです
これから増えるかも
この映画凄い映画です!
まさに策士、鋼鉄の女
ラストは圧巻と痛快感がきました
見事な社会派映画! pic.twitter.com/xjRdz3U033— ろーぜす@新しい世界へ! (@club_roses_1962) March 16, 2020
女神の見えざる手
やり手のロビイストを描いたサスペンス映画
ジェシカチャスティンの演技と魅力が全編に冴え渡りキャスティングの魅力を遺憾なく発揮しているインテリな内容がジャンル映画好きにはとっつきづらい部分はあると思ったが
優れた映画はシンプルな所に落ち着くのが映画の面白い所 pic.twitter.com/saIUb5Sj5P— 映画オタクのリドリー山下 (@takeakigraffiti) March 15, 2020
本作を観たユーザーの多くは、好意的な書きこみをしています。
特に日本人にとって馴染みのないテーマであり、聞いたことのない言葉が多く出てくることから、始めは苦手な印象を持つものの、最後はスカッとするという感想を持つ人が多いことに驚きました。
キャスティングもどハマりしていて、最高の女優と最高の脚本で、他に人にオススメする口コミがとても多いので、あなたがまだ観ていないなら、これはぜひ観てほしい映画だと筆者も思います。
【動画で紹介】あなたの疑問に答え、さらに興味を引き出す動画を紹介!
ここまで、本作の魅力を文字で端的に伝えてきましたが、いまいちイメージがつかないと思っているあなたに動画を紹介していきます。
映画会社公式の動画で、本作をより楽しんでもらうことを意図して作成された動画であるため、手短に理解するのに最適です。
【動画その①】ロビイストとは?を解説する動画
私たち日本人の多くが馴染みのないロビイストについてスタッフが解説してくれます。
これを観ておけば、本作でリズたちがなぜ、どういう戦いをしているのかをつかむことができます。
【動画その②】主演ジェシカ・チェステインのインタビュー
映画を楽しむ上で、出演者のインタビューは重要な資料です。
なぜなら、役者がどのように作品を捉え、役を作るのかを知ることができれば、作品を正しく解釈することができるからです。
本作の魅力を決定づけるもっとも重要な役である「リズ」を演じたジェシカ・チェステインのインタビュー動画は必見です。
【動画その③】シュミット役マーク・ストロングのインタビュー
こちらも同じくシュミット役のマーク・ストロングのインタビューです。
ジェシカ・チェステインのインタビューはどちらかというとキャストに対してのコメントが多かったのに対して、こちらは作品全体に触れたインタビュー内容となっています。
【無料視聴】女神の見えざる手全編を高画質で見る方法
いかがでしたか?
実際はもっとたくさんの見どころや泣きどころがあり、紹介しきれないので、ぜひ最初からエンディングまでしっかり観て欲しいと思います!
「レンタルは面倒だなぁ…」
そうですよね。
映画を全編しっかりと観ようとすればDVDやBlue-rayをレンタルショップで借りてくるのが一般的ですが、借りにいくのも返しにいくのも時間と手間がかかってしまいます。
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2020年現在、見放題作品数がもっとも多いのは、U-NEXTで約5万件、次いでHuluで4万件となっており、このどちらかで選べば間違いありません。
「無料で観れるサービスはないの?」
一部の海外サイトには映画がまるまる無料で視聴できるものもありますが、画質が悪い上に違法行為となってしまうため、筆者はオススメしません。
罪になると思いながらだとせっかくの映画に集中できませんし、楽しめませんよね。
女神の見えざる手を無料で全部観たい!という場合は、まずはU-NEXTやhuluで閲覧できるか無料体験に申し込んでみてください。
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