戦争

【残酷な現実と温かい感情に涙する】ヒトラーの忘れもののストーリーと名シーンをネタバレ動画で完全解説!

ヒトラーの忘れものを無料動画でネタバレ紹介する記事

「ヒトラーの忘れもの」(原題:Under Sundet)は、2015年に公開された、デンマーク・ドイツの戦争映画です。

原題の「Under Sundet」デンマーク語で「砂の下に」という意味です。

日本語のタイトルと大きく違うのは、過去の歴史から「ナチス」や「ヒトラー」といった言葉を日本人ほど気軽に使わないという背景がありそうです。

また、こういった残酷な過去を戦勝国と敗戦国が一緒に作ってしまうあたり、陸続きの欧州ならではの文化と言えるかもしれません。

内容は、第二次世界大戦中のデンマークで、ドイツ軍が埋めた大量の地雷を戦争終了後に撤去する捕虜の少年兵と、それを監督するデンマーク兵を描いたドラマで、「子供と大人」「同じ目的を持った同士」「敵対国」と複雑に絡んだ関係の中で葛藤する人間の心を見事に描き出した名作です。

邦題である「ヒトラーの忘れもの」は、「地雷」であり「少年兵」であり、また「人間の心」であると捉えることもでき、とても奥が深い作品となっています。

そんな「ヒトラーの忘れもの」を見逃してしまったあなたのために、作品の大まかなあらすじと見どころを紹介し、「ヒトラーの忘れもの」を観るべきかどうか判断できるようにお手伝いします!

【ネタバレ注意】作品の全容をざっくり紹介

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まずは「ヒトラーの忘れもの」の登場人物やその関係性、全体のストーリーをざっくりまとめて紹介します。

あなたが忙しく、記事を読んでいる時間がない場合を考えて、予告動画を紹介しておきます。

この動画だけで全てを理解することは難しいのですが、雰囲気だけでもつかんでください。

事前に押さえておきたい主要な登場人物たち

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主な登場人物
  • ラスムスン軍曹:ドイツ軍捕虜をつかった海岸の地雷撤去を監督するデンマーク軍の軍曹。軍に忠実である一方、人としての正しさを持った軍人。
  • エベ大尉:ラスムスン軍曹の上官で複数の地雷エリアを監督するデンマーク軍の大尉。ナチスドイツに対しての憎しみが強く、ラスムスン軍曹とたびたび対立する。
  • セバスチャン:ラスムスン軍曹のもとに送られたドイツ軍捕虜の少年兵。少年兵たちをまとめるリーダーであり、ラスムスン軍曹とも心を通わせていく。
  • ヘルムート:ドイツ軍捕虜の少年兵の一人。元は将校でプライドが高く、皆を守らねばと行動する一方で、堪え性がなく真っ先に逃げ出そうとする一面も。
  • レスナー兄弟:ドイツ軍捕虜の少年兵の双子。将来は二人で会社をつくることを夢見る絆の深い兄弟。絆が深い故に悲劇的な最期を迎える

本作では、海岸の地雷撤去を任されたラスムスン軍曹と、彼のもとに送られてきた11名(途中で2名追加されて計13名)のドイツ軍少年兵との絆を描いたドラマです。

少年兵の中でも特に全体の流れやラスムスン軍曹の心情の変化に影響を与えるのがこの4名であるため、上記6名を把握しておけば本作を大筋を把握することができます。

前提として押さえておきたい軍の階級

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本作に限らず、戦争を舞台にした映画では、軍の階級を理解しておくことをおすすめします。

なぜなら、軍隊における階級(上下関係)は絶対的なルールであり、たとえ理不尽な命令であっても上の決定は守らなければいけないからです。

(軍務規定で上官に逆らったら銃殺刑になるような国や時代もあります。)

本作でもラスムスン軍曹とエベ大尉が衝突する場面がいくつかありますが、全てラスムスン軍曹が我慢させられます。

これも階級の差によるものです。

軍の階級
  • 将官:大将>中将>少将>准将
  • 佐官:大佐>中佐>少佐
  • 尉官:大尉>中尉>少尉
  • 士官:兵長>軍曹>伍長

軍の階級は国や時代によって呼び方が様々なので、あくまでも目安として見てほしいのですが、上にいくほど高くなり、その中でも左にいくほどより高官になります。

本作では軍曹と大尉の差なので、4つも差があることになります。

【さらに内容を深堀り】「ヒトラーの忘れもの」のストーリーを解説

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ここではストーリー全体をさらに理解できるように、ストーリーを紹介していきます。

あなたが「ヒトラーの忘れもの」を観ていなくても、これを読めばざっくりしたあらすじをつかむことができます。

ストーリーの流れ

1【砂浜の地雷】

  1. 1945年にドイツの5年に渡るデンマーク線量が終わる
  2. デンマークの海岸にはドイツが埋めた220万個の地雷がある
  3. その地雷をドイツ軍捕虜の少年兵を訓練して撤去させる
  4. 素人である少年兵を死者を出しながらエベ大尉が訓練する
  5. ラスムスン軍曹のもとに11人の少年兵が派遣される
  6. 砂浜に埋まる4万5千個の地雷を撤去すれば国に帰してやる
  7. 横一列のほふく前進で地雷を一つ一つ見つけていく作業
  8. 地雷を見つけると掘り起こして信管を抜いて無効化する
  9. デンマーク軍が刈り上げた農家の小屋で少年兵は寝泊り
  10. ドイツ兵捕虜への食事は後回しにされ2日間飯抜きで作業

 

2【近づいていく距離】

  1. 空腹に耐えきれずヘルムートが夜中に小屋を抜け出す
  2. 作業中に嘔吐したヴィルへイムが処理を誤り爆発
  3. 両腕が吹っ飛び軍曹がモルヒネを打って病院に搬送
  4. ヘルムートが盗んだ家畜の餌で少年たちが食中毒になる
  5. 食中毒の療養のため海水を飲んで吐かせ体を洗わせる
  6. 軍曹がヴィルへイムの見舞いにいくも数日前に死亡
  7. 軍曹が基地から食料を盗んで小屋の前に置く
  8. 少年兵たちが食糧のおかげで食中毒から回復していく
  9. 軍曹からヴィルへイムは回復してると伝えられる
  10. セバスチャンが提案した木枠を使って作業を進める

 

3【揺れ動く感情】

  1. 夜中に少年兵たちがデンマーク兵に囲まれ暴行を受ける
  2. 軍曹がエベ大尉から情が移ったか?と釘を刺される
  3. 軍曹は子供ではなく熟練した大人を送るよう依頼
  4. 翌日二重になった地雷に気づかずヴェルナーが爆発
  5. パニックになるエルンストに鎮静剤を打ち介抱する軍曹
  6. エルンストを見ながら感情を必死に抑える軍曹
  7. セバスチャンにヴィルヘイムが死んでいることを告白
  8. 少年たちは理解していてそれでも希望を持っていた
  9. セバスチャンと軍曹の間に信頼関係が芽生えていく
  10. 小屋の施錠を解き少年たちとサッカーをするようになる

 

4【救う命と失う命】

  1. 砂浜で遊んだ帰りに軍曹の飼い犬が地雷を踏んで死亡
  2. 地雷撤去済みのエリアで起きた爆発に不信感を抱く軍曹
  3. 少年兵全員で撤去済みの砂浜を歩かせて安全を確認する
  4. 女主人が小屋で寝ている少年兵に慌てて助けを求める
  5. 地雷未撤去のエリアのど真ん中で遊んでる
  6. セバスチャンが地雷を確認しながらほふく前進で向かう
  7. エルンストが無防備に歩いて娘のいる場所に到達する
  8. セバスチャンに娘を渡すとエルンストは反対側に歩き出す
  9. 軍曹や少年兵たちが驚いている間に地雷を踏んで死亡する
  10. 処理した地雷をトラックに乗せる作業で未処理の地雷が爆発
  11. セバスチャンら4人以外の少年兵が全員死亡する

 

5【人としての約束】

  1. 大尉の命令でセバスチャンら4人は次の地雷現場に派遣される
  2. 作業をやり遂げた少年たちをドイツに帰したい軍曹が大尉に反発
  3. あくまでドイツ兵を憎み、約束を守る気がない大尉
  4. 連れて行かれた先で4人がトラックに乗せられて再び移動
  5. 着いた先は国境500m地点で軍曹が4人に逃げるように促す

本作では、主人公のラスムスン軍曹が「軍人としてドイツ兵に持つ感情」と「大人として子供に対して持つ感情」の2つが変化し、ぶつかり合って変化していく心情を見事に映像化した作品です。

冒頭からドイツ兵に厳しく当たるのは大尉も軍曹も同じですが、少年兵たちと過ごす中でドイツ兵としてではなく、一人の子供として見るようになり、軍人としてではなく大人として彼らとの約束を守ることを優先した結末となりました。

戦争はいつの時代もそれを先導した人間が悪いのであって、兵士も犠牲者であるというメッセージも込められているように筆者は感じました。

【口コミ】「ヒトラーの忘れもの」の感想を分析!

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ネット上には「ヒトラーの忘れもの」について様々な投稿があります。

ここでは、Twitterに投稿された「ヒトラーの忘れもの」についての意見をいくつか取り上げて、傾向を解説します。

本作を観たユーザーはほぼ全員満足度の高いコメントを投稿しています。

特に、日本人が直接触れることのない、外国で起こった戦争の真実に誰もが言葉を失ってしまったようです。

デンマークの海岸に埋まった150万個の地雷を、ほぼドイツ軍の少年兵で構成された2000人の部隊で撤去したという衝撃。

役者の演技も、ストレートに表現する映像も、刺激が強すぎる部分もありますがその分史実をありのまま受け止めることができる名作です。

【名シーン紹介】過酷で残酷な歴史的な事実をたどる名シーンの数々

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本作自体はフィクションであるものの、ストーリーは史実に基づいて作られています。

戦争に駆り出され、敗戦国の捕虜として地雷撤去の捨て駒にされた少年兵たちの辛い現実がはっきりと描かれている衝撃の動画を一部紹介します。

【名シーン①】少年兵が海岸の地雷をほふく前進で撤去するシーン

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地雷は、人が足を乗せた重みで信管が作動し起爆する仕組みになっています。

そのため、本作での地雷介助の作業は以下の手順で進めます。

  1. 棒で砂の中を突き、地雷の側面にあてる
  2. 信管を刺激しないよう慎重に砂をどける
  3. 地雷から信管を抜いて無効化する

これを素人の少年がやっているわけで、実際に手元を狂わせて爆発してしまったシーンも見ているため、ものすごくドキドキするシーンです。

【名シーン②】エルンストが少女を救い自殺するシーン

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兄のヴェルナーを撤去作業中に亡くしたエルンストは、一時は取り乱したものの、その後は立ち直ったかのように見えていました。

軍曹の飼い犬が地雷で死に、軍曹と少年兵たちの関係が冷えてしまったある日、寄宿先の農家の女主人が娘を助けてほしいと少年兵らを頼ります。

娘はいつの間にか地雷を撤去できていない砂浜の真ん中で遊んでいて、助けようにも近づけない状況でした。

すぐにほふく前進を始めるセバスチャンに対し、無防備に歩みを進めるエルンスト。

娘を助けたエルンストは、セバスチャンに託すと、皆んなとは反対の方向に向かって歩き、地雷を踏んで死亡します。

エルンストが精神的に病んでしまったのか、楽になりたかったのか、少女を助けたことで人生に満足したのか、様々な捉え方がありますが、とにかく深く悲しいシーンです。

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