「ロード・オブ・ウォー」(原題: Lord of War)は、2005年に公開された、アメリカのノンフィクション映画です。
営利目的で武器を商品として扱い、紛争地帯などに売る、いわゆる「死の商人」を題材にしています。
モデルとなったのは、逮捕されたビクトル・ボウトという武器商人ですが、彼は映画公開後の2008年に逮捕されています。
なお、タイトルの「ロード・オブ・ウォー」は「戦争の支配者」という訳になり、戦争は争う当事者側ではなく、武器を供給する側が主導権を握っていることを意味しています。
主演はニコラス・ケイジで、筆者は個人的に、顔やスタイルを演技力でカバーする演技力を高く評価しています。
そんな「ロード・オブ・ウォー」を見逃してしまったあなたのために、作品の大まかなあらすじと見どころを紹介し、「ロード・オブ・ウォー」を観るべきかどうか判断できるようにお手伝いします!
▽ニコラス・ケイジが出演した他作品
目次
【ネタバレ注意】作品の全容をざっくり紹介
まずは「ロード・オブ・ウォー」の登場人物やその関係性、全体のストーリーをざっくりまとめて紹介します。
あなたが忙しく、記事を読んでいる時間がない場合を考えて、予告動画を紹介しておきます。
この動画だけで全てを理解することは難しいのですが、雰囲気だけでもつかんでください。
事前に押さえておきたい主要な登場人物たち
- ユーリ・オルロフ:世界の紛争に武器を売る死の商人。各国の要人とパイプを持ち、時には国家権力によって身を守られることも
- エヴァ・フォンテーン・オルロフ:ユーリが10代の頃から片思いをしていたモデル。両親を強盗に殺害された過去を持つ
- ヴィタリー・オルロフ:ユーリの弟。元々はコックだったが兄の依頼で武器商人を手伝うことに。コカイン中毒で何度か更生施設を出入りしている
- アンドレイ・パプティスト:リベリアの大統領。内戦を引き起こし、混乱に乗じて大統領の椅子を手に入れており、残虐で好戦的。
- シメオン・ワイズ:大物武器商人。商売敵としてたびたびユーリとバッティングし対立する
本作は、死の商人ユーリ・オルロフが武器商人として駆け上がり、全てを手に入れてから駆け下りて行く人生を描いた作品です。
そのためユーリと妻のエヴァ、片腕である弟のヴィタリー、主要顧客であるパプティスト大統領、商売敵であるワイズの5名を覚えておけば全体を把握することができます。
【あらすじを紹介】「ロード・オブ・ウォー」のストーリーを解説
ここではストーリー全体をさらに理解できるように、ストーリーを紹介していきます。
あなたが「ロード・オブ・ウォー」を観ていなくても、これを読めばざっくりしたあらすじをつかむことができます。
1【武器商人としての成功】
- ユーリはマフィアの抗争現場を見て武器商人に目覚める
- 弟のヴィタリーを引き入れて闇ルートの武器を売買
- 10大戦地の8カ所でユーリの武器が使われるほどに成長
- ヴィタリーが病んでコカイン中毒になり更生施設へ
- 憧れていたエヴァ金を使って口説き結婚する
- 分不相応な生活を送り財政的に綱渡りの状態が続く
- 冷戦終了後のウクライナで大量の武器や兵器を購入
- インターポールに狙われるも法を利用してすり抜ける
2【狂い始める歯車】
- 手に入れた武器は紛争が多数起きているアフリカへ
- リベリアのパプティスト大統領に気に入られ取引する
- ワイズが捕まりパプティストがユーリの目の前で射殺
- インターポールがエヴァに接触しユーリの仕事をバラす
- エヴァンがユーリに武器商人をやめるよう懇願する
- エヴァとの約束を守り半年間は儲からない仕事をやる
- パプティストが自宅を訪れリベリアへの武器供給を要請
- 再び武器商人に戻ろうと動くユーリをエヴァが尾行する
- エヴァがアジトから偽造パスポートや武器を見つける
3【衝撃の結末】
- ユーリは嫌がるヴィタリーを連れてリベリアに渡る
- 武器は大統領ではなくゲリラに売ることになり交渉する
- 虐殺行為の現場を見たヴィタリーが取引中止を提案
- ユーリが却下すると武器を爆破しゲリラに射殺される
- JFK空港でヴィタリーの遺体から銃弾が見つかり逮捕
- バレンタインの取調べ中にユーリは自身の釈放を予言
- 家族や兄弟を全て失ってもユーリは武器商人に戻る
本作は一見すると武器商人としての成功と、その後の没落を描いた伝記のように見えますが、最後まで観ると、実はそうではないことがわかります。
最後の最後で、世界の武器市場の闇に触れますので、必ず最後まで観ることをおすすめします
【さらに深堀り】ロード・オブ・ウォーの疑問点を先回りで解説
本作をひととおり観終わると、「ん?そういえば何であそこで・・・」と疑問に思うシーンがいくつかあると思います。
ここでは、そんな疑問点を先回りしてピックアップし、解説していきます。
一部推測を含みますが、その場合は何を根拠にそう推測したかまで掘り下げて説明します。
※あなたがまだ本作を観ておらず、ネタバレを知りたくない場合はこの章は飛ばしてください。
【疑問その1】ユーリはどうやって武器を仕入れたのか?
武器取引について全くの素人だったユーリがどうやって闇ルートで武器を売買できたのか、少々わかりづらかったと思います。
ユーリが大量の武器を手にする描写は2つあります。
一つは米軍が戦地を去る際に残していった武器を指揮官に賄賂を渡して買取、現地で直接販売しています。
なぜ可能なのかというと、戦争から引き上げる際には人や物を大量に動かすために輸送コストがかかるわけですが、使用済みで壊れたものも含まれた鉄の塊を運ぶのは効率が悪いわけです。
ユーリはそこに目をつけて、指揮官を買収して買い取ったということです。
もう一つはソ連崩壊後のウクライナです。
ソ連が崩壊し、ウクライナでは常駐している100万人の兵士に国からの資金が途絶えてしまいました。
そこでユーリは同じく指揮官を抱き込んで、大量の武器や兵器を買取っていくわけですが、国がそもそもなくなってしまったので、問題にならなかったのです。
まさに天職ですね。
【疑問その2】なぜユーリは決定的な証拠があるのに釈放されたのか?
ラスト10分あたりでユーリは逮捕され、家族はユーリから去っていき、全てを失ったように思わせておいてユーリは釈放されます。
このシーンに疑問を持つ人が多いので解説すると、死の商人は「主要な国々にとって必要な存在である」ということです。
ラストシーンのテロップで「最大の武器供給者は米・英・露・仏・中の5カ国で、この国々は国連の常任理事国でもある」と流れますが、言い換えると「世界を動かしている国々が世界に武器を流通させている張本人だ」と取れます。
世界の大国は表立って武器を輸出するケースもあれば、政治的・経済的な事情で内戦や紛争地帯に武器を供給することもあります。
表に出せない武器の供給については、ユーリのようなフリーランスの存在が不可欠であり、彼のように世界中とパイプがある人材は手元に置いておきたいのです。
アメリカが大国であろうとするほど武器の輸出が必要となり、またユーリのような存在が必要であるという、複雑な闇があるようです。
【口コミ】「ロード・オブ・ウォー」の感想を分析!
ネット上には「ロード・オブ・ウォー」について様々な投稿があります。
ここでは、Twitterに投稿された「ロード・オブ・ウォー」についての意見をいくつか取り上げて、傾向を解説します。
『ロード・オブ・ウォー』鑑賞
アンドリュー・ニコル監督史上最大の武器商人と呼ばれた男の半生
「銃弾の一生」〜製造され、運搬され、人の手に渡り、装填され、人の命を奪うまで、
というオープニングに始まる。アメリカに対する皮肉と、使用される武器が露中製のものが多いという皮肉が混在。 pic.twitter.com/3eIwzxr0wC
— DJ GANDHI (@dj__gandhi) July 25, 2020
ロード・オブ・ウォーを視聴
ニコラス・ケイジ主演の武器商人のお話
主人公が一番狂ってるはずなのに、見てたら主人公に一番感情移入してしまう不思議な話
どうしようもないやるせなさを感じる作品ですが、自分達には関係のないことですね
しかしまぁ、いい作品を見るとオススメしたくなっちゃうのね…— 偽ゴルゴ (@TheZzz999999) July 25, 2020
ロード・オブ・ウォー (字幕版) https://t.co/jtW3nOfLgC
起伏に欠けていて、淡々と物語が進行していく。開始20分くらいで「え?まさこれこのままこの調子?」と心配になったけど、最後までこの調子だったw 弟は麻薬に溺れたけど、兄は武器商人というギャンブルに溺れたな。ちょっと尺が長い。
— 月子 (@n_tsukiko) July 28, 2020
本作を観たユーザーの評価は賛否が分かれるようです。
その分かれ目として顕著なのが、ストーリーの捉え方です。
本作を、ユーリの半生を描いた作品だとして捉えた人にとっては退屈な映画だと思われていて、逆に世界の政治の闇に触れたと感じている人は面白いと感じているようです。
【名シーン紹介】死の商人の機転と度胸がわかる名シーンを一部紹介
本作の主人公であるユーリが武器商人として成功した背景にあるのが、「法をすり抜ける頭」と「肝が据わった度胸」の2つであるといえます。
ここでは、それぞれがわかるシーンを紹介しておきます。
【名シーン①】インターポールの船上査察をくぐり抜けるシーン
ユーリがヴィタリーと共にタンカーで大量の武器を運んでいるところに、インターポールが査察にくるという情報が直前になって入ります。
ユーリはすぐさま同サイズの船の名前を入手すると、船の名前を書き換え、船籍であるオランダの国旗に差し替えます。
ドキドキのシーンをどうぞ。
【名シーン②】唯一の戦友、ヴィタリーの壮絶な最期
ゲリラとの商談中に、ゲリラが難民キャンプで虐殺している光景を目にします。
麻薬中毒から抜け出してようやくまともな人格になっていたヴィタリーは、商談中のユーリを呼び出して取引をやめるように懇願します。
自分たちの武器でこれから虐殺が行われるのが耐えられないからです。
それを断るユーリに対して、自分が間違っていたというヴィタリーですが、席に戻ると静かに武器が詰まったトラックに近づいていき、爆破してしまいます。
直後にゲリラからヴィタリーが射殺されると、ユーリは静かに席につき、商談をまとめるのでした。
【無料視聴】ロード・オブ・ウォー全編を高画質で見る方法
いかがでしたか?
実際はもっとたくさんの見どころや泣きどころがあり、紹介しきれないので、ぜひ最初からエンディングまでしっかり観て欲しいと思います!
「レンタルは面倒だなぁ…」
そうですよね。
映画を全編しっかりと観ようとすればDVDやBlue-rayをレンタルショップで借りてくるのが一般的ですが、借りにいくのも返しにいくのも時間と手間がかかってしまいます。
そこで、筆者は定額見放題の「動画配信サービス」をオススメします。
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2020年現在、見放題作品数がもっとも多いのは、U-NEXTで約5万件、次いでHuluで4万件となっており、このどちらかで選べば間違いありません。
「無料で観れるサービスはないの?」
一部の海外サイトには映画がまるまる無料で視聴できるものもありますが、画質が悪い上に違法行為となってしまうため、筆者はオススメしません。
罪になると思いながらだとせっかくの映画に集中できませんし、楽しめませんよね。
ロード・オブ・ウォーを無料で全部観たい!という場合は、まずはU-NEXTやhuluで閲覧できるか無料体験に申し込んでみてください。
(動画サービスの閲覧作品は随時更新されているため、取り扱いがない可能性もあります。ご注意ください。)
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