「最強のふたり」(原題: Intouchables)は、2011年に公開された、フランスのヒューマンドラマです。
頸椎損傷によって首から下が全く動かない大富豪フィリップと、フィリップの介護人として働くことになったスラム出身のドリスが、金持ちと貧乏人、白人と黒人、障がい者と健常者というお互いの違いを受け入れて成長していくストーリーです。
笑いと涙のシーンが絶妙に織り交ぜられた傑作で、日本で上映されたフランス映画の中で、歴代1位のヒット作であることも納得できます。
原題の「Intouchables」はフランス語ですが、英語にすると「Untouchables」で、「触れてはいけない人たち」という意味です。
複数形なので、フィリップだけでなくドリスも、ということですね(笑)
そんな「最強のふたり」を見逃してしまったあなたのために、作品の大まかなあらすじと見どころを紹介し、「最強のふたり」を観るべきかどうか判断できるようにお手伝いします!
目次
【ネタバレ注意】作品の全容をざっくり紹介
まずは「最強のふたり」の登場人物やその関係性、全体のストーリーをざっくりまとめて紹介します。
あなたが忙しく、記事を読んでいる時間がない場合を考えて、予告動画を紹介しておきます。
この動画だけで全てを理解することは難しいのですが、雰囲気だけでもつかんでください。
事前に押さえておきたい主要な登場人物たち
- フィリップ:パラグライダーの事故で首から下が麻痺してしまった富豪。介護人を雇うも気難しい性格から1週間で逃げられてしまう
- ドリス:本人の意に反してフィリップの介護人となったスラム出身の黒人。適当な性格だが根は優しくフィリップと信頼関係を築いていく
本作は、フィリップとドリスという主人公2人のやりとりでストーリーが成り立っています。
そのため、この2人を覚えているだけで大枠を把握し、理解することができます。
ただし、脇役が魅力的であることも本作の見どころであるため、彼らにスポットライトを当ててみるとより一層楽しめること間違いなしです。
【あらすじを紹介】「最強のふたり」のストーリーを解説
ここではストーリー全体をさらに理解できるように、ストーリーを紹介していきます。
あなたが「最強のふたり」を観ていなくても、これを読めばざっくりしたあらすじをつかむことができます。
1.【新しい介護人】
- フィリップの介護人の面接にドリスが参加
- ドリスは失業手当が目的で働く気はない
- なぜか採用され屋敷に住み込みで働くことに
- 初めての介護に戸惑うも段々となれていく
- フィリップは自分に同情しないドリスを気に入る
- ドリスの不器用ながら誠実な介護で絆を深める二人
- 妻のアリスの死やエリザが養子であることを話す
2.【エレオノール】
- フィリップの半年前からエレオノールと文通している
- ドリスが強引に彼女に電話し二人の関係が前進する
- 写真を送ることになりドリスはありのままを勧める
- フィリップは事故前の写真にこっそり差し替えて送る
- エレオノールから写真が届きパリで対面することに
- フィリップはエレオノールと合わずにその場を立ち去る
3【二人の別れと絆】
- ドリスの弟のアダマが突然屋敷を訪ねてくる
- 悪い仲間と付き合っていて何かヘマをしてしめられた
- ドリスの家族を案じたフィリップは契約を解除する
- 新しい介護人を雇うも気難しい障がい者に戻るフィリップ
- ドリスはスラム戻りアダマと悪い仲間の縁を切らせる
- ドリスは身に付けた教養で面接を通りまともに就職する
- 夜中にフィリップの具合が悪化してドリスが呼び出される
- 子供のようにふざけあってフィリップが人間性を取り戻す
- ふたりでレストランにいくとドリスが席を立って店を出る
- 不審に思うフィリップの席にエレオノールがやってくる
本作は、性格も境遇も全く正反対の二人が出会ったことで、お互いを刺激しあい、成長するドラマです。
フィリップは自身が重度の障がい者でありつつも、同情されたり腫れ物のように扱われることに飽き飽きしていて、自分に対してズケズケとものを言い、対等に接してくれるドリスに心地よさを感じます。
特に序盤はドリスの純粋無垢な態度には少々ハラハラさせられますが、お互いが成長するので、フィリップは寛容になりドリスは丁寧になっていきます。
全く悲観的にならず、笑いと心に暖かいものが残る、素晴らしい名作です。
【さらに深堀り】最強のふたりの疑問点を先回りで解説
本作をひととおり観終わると、「ん?そういえば何であそこで・・・」と疑問に思うシーンがいくつかあると思います。
ここでは、そんな疑問点を先回りしてピックアップし、解説していきます。
一部推測を含みますが、その場合は何を根拠にそう推測したかまで掘り下げて説明します。
※あなたがまだ本作を観ておらず、ネタバレを知りたくない場合はこの章は飛ばしてください。
【疑問1】なぜフィリップはエレオノールに会わずに店を出たか
ドリスのお節介によって電話で話すようになり、とうとう会う約束を取り付けたフィリップ。
散々迷ってお洒落をして、約束のお店で待つフィリップですが、エレオノールが現れる前に店を出てしまいます。
この理由は、「嘘をついていること」だと考えられます。
まずはドリスへの嘘。
ドリスはフィリップが障がい者であることをありのままエレオノールに伝えたと思い込んでいます。
一方でフィリップは直前で写真を差し替えて、健常者だった時の自分の写真をエレオノールに送っています。
つまり、ドリスに嘘をついている状態で、それをドリスに悟られまいとして付き添いを断ったのですが、ここまでなんでも話してきた相棒に嘘をついている状態に耐えられなかったということです。
そして、エレオノールへの嘘。
これから会う好きな女性が、自分を見てどう感じるのかを考えたら怖くなったために店を出てしまいます。
直前まで強いお酒を何杯も飲んで気持ちを紛らわそうとしますが、最後までその恐怖が消えなかったため逃げ出しました。
それをドリスは知っていたために、ラストシーンでレストランを去る際に「今度は逃げるなよ」と伝えたわけです。
【疑問2】ラストシーンでなぜドリスは二人を引き合わせたのか
契約を解除し、屋敷を出る際に秘書のイヴォンヌから写真を渡されます。
その写真は、フィリップとドリスがエレオノールに送ったはずのものでした。
デートから引き揚げてきたフィリップに何も聞かなかったドリスですが、この時全てを悟ります。
渡したはずの写真が手元にある→迷っていたもう一つの写真を送った→きっとフィリップは真実を伝えるのが怖くて逃げてきた
ここまで明確に理解したかは分かりませんが、少なくとも本当の自分を伝えていないことを知ったドリスは無理やりにでも二人で話す状況を作ろうとします。
エレオノールに対して、事前に説明し、あとはフィリップだけが素直になればいいという状況を作って…
そういえば、文通から電話に切り替えた時も同じように強引なお膳立てでしたよね(笑)
【口コミ】「最強のふたり」の感想を分析!
ネット上には「最強のふたり」について様々な投稿があります。
ここでは、Twitterに投稿された「最強のふたり」についての意見をいくつか取り上げて、傾向を解説します。
フランスの映画「最強のふたり」を見た
すんげえ久しぶりの映画でなんかすごく非日常を感じた
いい映画だったからみんなも見てみて— よねくん (@Keitaro77365687) July 11, 2020
「最強のふたり」やっと観れました。立場の全く違う二人が出会い、支え合い、いつの間にかお互いかけがえのない存在になっている。二人のやり取りに何度も笑ってしまった。人としての尊厳を持って接するってとても難しいな。パリ、自然、そして二人の友情と笑顔がとても美しく素晴らしい映画でした。 pic.twitter.com/5duRETfs7P
— 水瓶 (@tdnbykdy) July 10, 2020
最強のふたり って映画
めちゃくちゃ泣いたんだが— まっすん (@Scarlet_AmmoAH) July 9, 2020
最強のふたりという映画を観たけど面白かった!お互い接し合う中で良い影響を与え合い、フィリップは新しい事に挑戦する若さと刺激、ドリスは知識と教養を得て新しい人生に進むのがとても良かった。きっかけさえあれば幾らでもリスタート出来るという前向きさを感じた。久しぶりに当たり。また観たい。
— ぴゅー (@DK4vGQUtWBZdpRr) July 8, 2020
最強のふたり。
コミカルだけどどこか儚く感じる
笑いと涙の友情物語だった✨
自分映画ランキング上位に入るな pic.twitter.com/dtReWlq4MC— 空 (@sky10969) July 8, 2020
「最強のふたり」をやってたので録画して久しぶりに観た。黒人移民と障がい者っていう組み合わせだけど、アメリカ映画的な「差別を乗り越える」系じゃなくて、「人生で巡り会えた、最高の友達の話を聞いてくれよ」って雰囲気が大好きだ!ハリウッドリメイクはマジで劣化版なので間違えずに観て欲しい。 pic.twitter.com/SbCfEc1L4g
— マチイ (@machiimachine) July 3, 2020
本作を観たユーザーはほぼ全員満足度の高いコメントを投稿しています。
特に印象的なのは、「笑った」というユーザーと「泣いた」というユーザーが混在していることです。
筆者も本作を観ましたが、ブラックジョークに笑い、二人の友情と絆に泣きました。
ここまで心を豊にしてくれる作品もなかなかないので、絶対におすすめです!
【名シーン紹介】お互いを理解しあって笑い合える!名シーンを一部紹介
本作はヒューマンドラマなので、あくまでも全編を観て初めて良さがわかる作品ではあるのですが、ここではその一部だけ紹介し、本作の魅力に触れてもらおうと思います。
もしあなたが少しでも興味をもてば、ぜひ最初から観てください。
絶対に損はしない作品です。
【名シーン①】マセラッティにフィリップを乗せるドリス
この動画は二人の価値観の変化がわかる重要なシーンです。
普段は車椅子をそのまま乗せられる福祉車両で出かけるフィリップですが、ドリスはそれを断ってマセラティで出かけようとします。
「馬みたいに荷台に乗せるのか?」と。
ここで、フィリップは自分が人間として対等に扱われていると感じ、さらにドリスへの信頼を深めます。
そして、マセラティで走り出そうとすると、家の前に邪魔な車が停車しているのですが、ドリスはこのドライバーを荒っぽく追い出します。
実はラストシーンでも同じような場面があるのですが、ここでドリスが大きく成長したことがわかるのです。
【名シーン②】オペラを観て爆笑するふたり
本作で筆者が最も笑ったシーンです。
オペラという格式の高い場所に、一人だけ普段着で浮いているドリスですが、本人は全くそんなこと気にしていません。
開演し、オペラ歌手が歌う直前までおしゃべりしていたドリスですが、木の役を演じる歌手が歌い始めると爆笑してしまいます。
当然周りからは冷たい目で見られるわけですが、全くお構いなしのドリスは木が真剣に歌っていることに我慢できずに爆笑し続け、とうとうフィリップにもその笑いが伝播してしまいます。
【名シーン③】フィリップの誕生日会で踊るドリス
このシーンだけ観ると、何が名シーンなのかわかりにくいかもしれません。
少し説明をすると、フィリップは堅い家で育っているので、聴く音楽はクラシックです。
また、屋敷の使用人もソウルミュージックなど触れない人種ばかりなのですが、ドリスが音楽をかけ踊りだすと、周りもつられて踊り出します。
踊りだす使用人たちの変化もそうですが、それを見ていたフィリップが制止しながらも楽しそうに笑うのです。
これは前後を観ていると大きな変化を感じることができる名シーンです。
【無料視聴】最強のふたり全編を高画質で見る方法
いかがでしたか?
実際はもっとたくさんの見どころや泣きどころがあり、紹介しきれないので、ぜひ最初からエンディングまでしっかり観て欲しいと思います!
「レンタルは面倒だなぁ…」
そうですよね。
映画を全編しっかりと観ようとすればDVDやBlue-rayをレンタルショップで借りてくるのが一般的ですが、借りにいくのも返しにいくのも時間と手間がかかってしまいます。
そこで、筆者は定額見放題の「動画配信サービス」をオススメします。
インターネット回線を通して、PCやスマホ、TVで映画やドラマを見ることができるサービスです。
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あなたがTVやスマホで映画やドラマを観るなら、動画サービスは「見放題の作品数がどれだけあるのか?」で選んでください。
2020年現在、見放題作品数がもっとも多いのは、U-NEXTで約5万件、次いでHuluで4万件となっており、このどちらかで選べば間違いありません。
「無料で観れるサービスはないの?」
一部の海外サイトには映画がまるまる無料で視聴できるものもありますが、画質が悪い上に違法行為となってしまうため、筆者はオススメしません。
罪になると思いながらだとせっかくの映画に集中できませんし、楽しめませんよね。
最強のふたりを無料で全部観たい!という場合は、まずはU-NEXTやhuluで閲覧できるか無料体験に申し込んでみてください。
(動画サービスの閲覧作品は随時更新されているため、取り扱いがない可能性もあります。ご注意ください。)
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